新宿で食事でもと言っていたのに、電話してみるとくたびれたとのこと、結局今日も父の部屋へ行くことにしました。もうこれからは死ぬまで何度会えるかわからないんだと我が身を励ましつつ。京王デパートのローストビーフやオリジンのポテトサラダなどを買って行って最後の晩餐です。3年半、あまり会いたがらない娘のいる東京に単身赴任して、淋しかっただろうなと思うとまた、たまらない氣持ちになります。近所の野川へ散歩に誘うと、少し眠るからお前たちだけで行ってくれば?とのこと。TPと上流を目指して川沿いをたっぷり歩きました。
父は我が家にくれたテレビや椅子のことを何度も、どうや?と尋ねて私たちが喜んでいるかどうかを聞いてきます。その度に嬉しいよ、良かったよと答える。すると満足そうに微笑む。別れ際は、眠たそうな顔で「たまには帰って来れば?」などと、あえてサラリと言っています。酔っぱらったと背中を丸めて寝転がっている姿が目に焼き付いて、舌先を噛みながら電車に乗って帰ります。あー、これで家族月間がやっと終わったー。父は福岡に帰ったら節制して散歩しようと言っていたので、案外長生きして、そのうち私も年を取って介護したりする日が来るのかも知れません。それまでは、また糸の切れた凧となってフワリフワリと自由の日々です。ぐすん、キラキラ。