名画の嵐

monna88882013-10-24

目を覚ますとそこはスペインでした。ぐふふ。ソフィア王妃芸術センターでTPジャンプ!昨日のホテル「アカプルコ」は消毒したかのような清潔さで、廊下を歩く人の音さえ氣にしなければ最高の宿でした。プラドがあまりにも濃かったので、連泊しようかどうしようかと考えた結果、やっぱり新しい宿に挑戦しようとリュックを背負って出かけます。デルソル駅近くの生ハムバルで、TP、トルティーヤサンドのセット。私、レバーパテトーストのセットを注文。若いウエイターさんは注文を何度も繰り返していたのに、私の前に置かれたのは生ハムサンド。レバーパテじゃなかったっけ?と言うとしまった顔で、皿を下げようとするのでいいよいいよ、それで。と言うと、本当に?あなたはこれが食べたい?と大喜び。生ハムサンドは1ユーロ高かったのですが、お会計のとき、決め決めのウィンクをくれてちゃんと1ユーロ下げてくれました。それにしても、セットで出て来たオレンジジュースのおいしいこと!果肉もたっぷりです。ズーモ何とかって書いてある。このズーモさえ毎日飲めば私もスペイン人になれるに違いない、そう思えるほどの爽快さです。


スペインではすずめもスペイン人の顔をしています。安宿「モーリョ」は、美術館のすぐ近くにあります。スペイン語しか話さない小さな武蔵丸みたいなおじさんについて階段を上ると、窓から赤いレンガの屋根が見渡せる風通しの良いお部屋!すぐにここがいい!と飛びつくように。帰りが遅くなったらビルの入り口は閉まるでしょと尋ねると、とにかくピンポンを押しなさい、ここは24時間営業。ピンポンはひとつ。自分は3階が自宅。2階にいることもある。でもとにかくピンポンを押しなさいとのこと。この部屋は風が氣持ちいいですね、と伝えると喜んでくれました。ここでも全部、スペイン語。パスポートを見せて、リュックを置いて、身軽になっていざ美術館へ!


腹ごしらえに、チェーン店のミニサンドイッチ屋へ。狭い道だって建物は凝っています。ディッセン・ボルミネッサ美術館は、近代美術館。抽象画の部屋から出発です。


変な絵だなーと思ったら、オキーフだったり!サボテンがお布団かぶって眠っていたり!やっぱりクレーの緻密さ!出口でポンッと出ると、あらまあ、やっぱりここはほんの序の口もいいとこ、上の階へ上がると名画続々。やっぱりゴッホルノアールピカソは別格だわと思ったり、見たかったエドワード・ホッパー。そして知らない画家にいくつも好きなものを見つけて、うっとりうっとり。驚いたことにシャッターさえ焚かなければ写真を撮るのは自由なのです。それでも写真には残らないとわかったので、シャッターを押す回数は減ります。



歩き過ぎて腰が外れそうになりながらも、はいつくばるようにして外へ出て、水筒の水をグイッと飲んで。あぁ、美術館の2日券はあともうひとつ。最後はソフィア。。。昼に前を通ったときは大きすぎてビビったな。でも行かねば、行かねば!

※絵のタッチは、写真をポチッとすると大きくなりますので興味ある方は拡大して見てみてくださいね☆

ソフィア王妃芸術センターへは、入る前にちょっとした覚悟が入ります。とにかく、広そう。まずは広場で缶の飲み物を買って、よっしゃと入って行きました。今度はあえて4階から降りてくる作戦。名前を挙げるのもおこがましいほどの名画の連続、そのなかでふぅーっと息を吐くことができたのは、ミロさん・・・あなたのそのシンプルさ、すごいね。そう話しかけながらミロの部屋でスイカの種のような点やら、木炭の線やら、長い長い間、眺めていました。


広い、広い、広過ぎる。骨盤がもう外れてしまっているかも知れない。老女の速度でたどり着いたゲルニカなんて、だから何さ!これなら岡本太郎の壁画の方がいいわ!みたいな怒りすらわいてきます。精神力を超える、腰力の限界。中庭で、小雨の中、震えながらひとりTPを待つ。あ、このオブジェ裏は真っ白やないの、ぷぷぷ。


閉館時間の寸前、TPが中庭まで呼びに来てくれました。ピカソの青いドレスの女、見た?すっごい良かったよと言うので、なめくじほどのスピードで向かいます。あ、確かにいい。そして、ミロの宇宙人も素敵。もういい。しばらくは絵はいい。絵、絵、絵。見過ぎた、見過ぎたわ。受け入れる限界超えたわ。なんてことない食堂で、皆が一生懸命私の指差し注文を理解してくれようとするので、泣きそうになりました。いい街だな、スペイン。大きいな、マドリード。食堂のテレビではマン・Uの香川が活躍しています。がんばれ、香川、がんばってるな、日本人。とっぷりと遅くなって宿へ戻ると、寝間着で眠たそうな宿のおじさんが出てきました。24時間って、そういうことだったんだ。