遅咲き

monna88882013-10-29

朝早いにもほどがある早朝、5時20分から、カタルーニャ広場のデパート側にはA1行きの空港バスがあります。大人しく乗っていると、最後の最後、ギュウギュウになって運転手がドアを閉めようとしてももうひとり乗れると主張する青年、ちゃんと乗れていました。まだ日が明けないうちの市バスって、たまらないんだよなぁ。仕事に行く人、旅行を終える人、つぎの国へ移動する人、早番の運転手さん、空港職員。誰もがじっと黙って、あっという間に市街から離れて。全員が平等で、同じだけの重たさと眠たさと心の軽さを持っている、そう思えるのです。都心からだんだんと地元の人たちが生活をしている場所を通って、高速を通って空港へわずか30分。出国には、私のズボンのボタンまで念入りに調べられるという不思議な仕組み。


搭乗すると機内食。TPはパンと同じ袋に入っていたコーヒーミルクを、何だこれは?というパントマイムで高くかかげてみたり首をひねってみたり、少し開けてなめてみたりしています。見るに見兼ねたという風で、お隣りの席のスペイン人が「そのミルクはパンにつけるものじゃないよ、コーヒーとか紅茶に入れるんだよ」と声をかけてくれます。そこからはスペイン風の英語で早口&おしゃべり君で彼が中国へ短期留学することまで聞きました。1日7時間も、5ヶ月かけて勉強したそうです!乗り換えまでの短いお喋りだったけど、彼の留学がどうか、安心で楽しいものになりますように!ヒースローでまたイギリスへ入国して、構内のカフェでひとやすみします。ズーモを飲みながら、ただ時間が過ぎるのを待つ。



機内食に次ぐ機内食。グウグウ眠っているうちに、どうやら日本へ着いていたよう。着陸して、滑走路を走っている間、後ろの席のおじさんが「今日はね、絶対に昼寝しちゃダメ。それが時差ぼけにならないコツ。くたびれたなー、眠たいなーって思うでしょ?それを我慢するとね、翌朝は快調ですよ!」と大きな声で言っています。


スカイライナーの乗り換え駅、上野でまずはTPを1000円カットに押し込みます。その間に本屋でばななちゃんエッセイをゲット、ドトールで読んでいると、ひとつひとつのことばから立ち上がるような優しさに、グゥッと胸を突かれて、ぼーっと涙ぐみます。


あー、帰った帰った。やっぱりうちの畳はいいねと言いながら、洗濯物を洗濯機に突っ込んで、TPとも白目をむきそうになりながら、励まし合って、ほっぺたをピシャピシャはたき合っていると、TPママが電話をくれました。無事やった〜?いいところやった?旅の話しをたくさんしながら、お母さんが電話くれたお陰で助かった、今まさに眠りそうになってたことを伝えます。そして、なんてことない晩ご飯の白いごはんが美味しいことったら、もう!モリモリ食べます。


昨日の夜はまだスペインだったんだな。デヂカメで撮った写真を見ては、TPの顔がひと回り小さくなったと大笑いしていたっけ。米を食わないからでしょうか。それが機内食だけで元通り、パンパンに膨らんで戻ってしまいました。TP「おっかしいなぁ〜。むくんだんかなあ」などといつまでも考え続けながら、「オレ、今までの旅行で一番帰りたくない」「日本に帰ったらまず、いらないものを捨てる。そしてSuicaを作る」とつぶやいていたっけ。私は「聞きたいと思ったことは必ず聞いてみる」の精神がお土産に。そしてもうひとつ、無駄遣いを減らしてまたどこかへ旅行に行きたい、そう心に決めました。遅咲きの人です。