おばばじじばばアゲイン

monna88882014-06-14

朝の温泉にとぷんと浸かって旅館の朝ごはん。父が帰りは角島に寄ろうと言います。何かの検索で世界の観光地ベスト3に入っとうげな、とのこと。運転手の母がいきなり道を間違えて山道を抜けたところで「残念、つのしま過ぎたみたい。でもいいね」と言うと父が「何をバカなこと言うか!過ぎちゃおらん!」あらそう?と母。途中で前から泊まってみたかったという海沿いのホテルで急停車して、母はパンフレットをもらっています。「思ったよりも高かった。宝くじ当たったら来よう」


 
お目当ての角島は、確かに絶景でした。来ることができてよかった。父が「石ならここで拾えば良かろうもん」と言いますが氣に入ったのがないのでスルー。TPと灯台に上ると、島をぐるりと見渡せ、遠くに小さく両親も見えます。いい氣持ち!


  
下関まで戻って、母方の祖父母の家の近く、私が石を拾って帰るけんここで降ろしてと言うと母は車を海沿いに停めました。「待っとくからさっと拾っておいで」歩いて帰れるからいいと言ってもダメ。海岸に降りて、TPも一所懸命さがしてくれます。ちょうど好みの重たくて、大きくて、丸いものがたくさん取れました。父は父好みのロープを拾って喜んでいます。じいちゃんが作ったばあちゃん用の昼ご飯の美味しそうなこと!少しつまみ食いして、父のスケジュール通りうどんの「桃太郎」へ。私は子どもの頃から桃太郎の丸天うどんが好きなのに、両親は桃太郎と言えば天ぷらうどんと譲りません。なのでひとりだけ丸天。おいしい〜。今度は父方の祖母の施設へ。TPがこっそり、何か俺、昨日の繰り返しみたい、アゲイン…とつぶやいています。じじばばじじばば、ばばじじばば。いつも何往復もしていたっけ。早速、拾った石をひとつおばあちゃんにプレゼントすると「これ私に?まあ素敵。珍しい色、藤色じゃあねぇ。ありがとう、大いに活用させてもらうわね」と喜んでくれます。ケアマネさんが車椅子を出してくれたので、みんなでテラスに出て関門海峡を見渡します。父はもう飽きたと早々に車に引っ込んでしまいました。


  
ばあちゃんじいちゃん、おばあちゃん。みんなの顔をたっぷり目に焼き付けて福岡に戻ります。そのまま糸島へ。食事処マルタ。夕方4時半の開店まで、大人4人でぼうーっと河口から海を眺めます。それでも開店が待ち切れなくなった父が15分前に無理やり店に入れてもらって、水槽から引き上げたばかりのイカ!サバ!アラカブ!父が「ちょっとヨソとは違おうが?うまかろうが?」と何度も言うのでTPは叫ぶように「うまい!」と言ってもまだ続きます。どんな風においしいか、どんな風にヨソと違うかをあの手この手で聞き出そうとする。母は無視して、弟たちへの持ち帰りを頼んだりしている。それでもやっぱり九州の魚は口の中を天国に飛ばしてくれます。


家に帰ってからも、父から今回の満腹旅行についての感想を求められ、TPが大成功でしたと答えると父は「違う、大正解やろ?」と正解のよくわからない世界へ。運転しっぱなしの母は目がつぶれそう。弟たちもやってきて。弟が、こないだ母ちゃんから電話で、葬式の積み立ての押し売りが来てさ、無理やりシュークリーム置いてったのを、食べてしまったけんどうしよう、契約せないかんとか言うけん、あわてて止めさせたと」他にも押し売りされて契約してしまったものや、寸でのところで止めさせた例をいくつも聞いてぞっとします。父が独自のオレオレ詐欺撃退法として、オレオレって言われたら太郎?って答えて相手がうんと言えば詐欺ってすぐわかると発表するので、今どき「オレオレ」などと言ってかかって来る電話ってないよと教えておきました。狙われる老人たち!増えるなぞの契約!


まだ明日、最後のスケジュール、昼ごはんの長崎ちゃんぽんが残っています。