アムステルダム、アムステルダム

monna88882015-10-25

今日の朝8時半出発のオランダ・アムステルダム行きの切符を買っていました。昨日の夜、突然に花火が上がったかと思うと、ドンパンドンパン次々に合宿所の窓の遠くで花火が上がり続けていました。何で?ふと地球の歩き方を読むと、何と10月の最終日曜はサマータイムが終わる日と書いてあります。あわてて宿の受付の女の子に尋ねたところ、サマータイムは今日の夜中で終わるとのこと。時計を見せて「じゃあ、今日の9時は明日の何時ですか?」と尋ねると「明日は8時になる」とのこと。そこで朝8時半の切符を見せて「じゃあ、この切符は今日の時間で言ったら、7時半になるってこと?」と尋ねると、そう、と一度答えてくれた後で「ちょっと待って、少し考える…」しばらくして「明日なら、今日の時計だと9時半」と教えてくれました。何となくよくわからなくなったので、ひとまず7時半に間に合うように出よう、そう決めます。宿の女の子は正しかった、1時間巻き戻したから、1時間遅くなったんだ!ありがとう、心でお礼をビューッと飛ばします。駅に早く着いたので、朝ごはんのサンドイッチを買います。その美味しいこと!

ベルリン中央駅の、朝から開いているパン屋さんには、次々と行列ができて行きます。パンは小麦の香りがバッと立ち、具はシンプルなのに組み合わせが最高、こんなパン屋さんが近所にあったら素敵でしょう。


電車は、静かに国境を超えました。いつの間にかオランダです。それまで真面目だった車内アナウンスが突然、陽氣でふざけた口調に変わりました。レディース&ジェントルマン!DJのような口調でノリノリです。それなのに電車の停車時間はメチャクチャになっています。でもあまりみんなは氣にしていない様子。オランダ人は陽氣なんだろうか?

日が落ちる前に、アムステルダムに到着しました。アムステルダム…名前がずるい、言いたくなるよねーとTPと何度もアムステルダムを連呼しながら駅を出ると、いきなりの海、船、運河。今日は日曜日。大勢の観光客で街は大賑わいです。ギュウギュウの人混みをかきわけるように歩くと、コロッケの自販機、ダム広場の移動遊園地、そしてオランダ風の建物は、どれもこれもゆがみに歪んでいます。どうしてこんなに歪んじゃったんだろう?上ばかり向いて歩いていると首が痛くなります。アムステルダムで大人氣なのは、ポテトフライにたっぷりのマヨネーズをかけたもの。行列のできているお店もあります。試しにひとつ買ってみて、うめ〜とうなりながら、レンブラント広場へ。レンブラントの絵の登場人物たちが、実写の銅像になって並んでいます。


今日の宿候補は、街を抜けたところの安宿。街を外れるごとにCoffeeShopといういい氣持ちになれるらしい喫茶店がいくつも出てきました。ようやくめあての宿を見つけて重たいドアを引いて入ってみると、経営者は中国系の人でした。奥さんはとても繊細そうで優しそうな人、旦那さんはスマホをしながらニコリともしない人。値段を尋ねると奥さんが旦那さんに尋ねた後で「80ユーロ」と言うので、予算オーバー、ごめんなさいと出て行こうとすると、旦那さんがボソッとつぶやいたのを奥さんが訳して「75ユーロ」と言います。それでもまだ高いので、私達は65くらいの宿を探しているから、別のところを当たりますとまた出て行こうとすると、旦那さんがすかさずつぶやいた言葉を奥さんが訳して「65でいい」と言われました。こっちだってまけてもらおうとはちっとも思っていなかったけれど!ひとまず部屋を見せてもらうと裏庭に抜けるドアがあって、そこで自由に一服してもいいとのこと。部屋は狭いけれど悪くはない感じ。今日はここに泊まることにしましょう。

ひと休みして、一番近くにある「ライツェ広場」へ。どうしてTPはこんなに広場好きになっちゃったんだろ?確かに、広場の周りにはお店も多いし、銅像なんかがあったりして街を歩くときのめやすにもなる。地図にある広場という広場、全てに必ず行こうとしている様子。


ライツェ広場の周辺、イタリア料理やステーキ、タイ料理などが多いけれどせっかくなのでオランダ料理のレストランに入ってみました。感じの良いウェイトレスさん、他の人が食べている肉団子みたいなのにマッシュポテトが添えられているものを、あれは!何ですか!と尋ねると、うなずきながら教えてくれます。どうやら名物料理のよう。ドイツの食堂ではシェアしている人があまりおらず、スープを頼んだらフォークは下げられてしまったので、このスープと肉団子、シェアしてもいい?と尋ねると、OK、パーフェクト、そう答えてくれます。スープ用のスプーンも無事テーブルに2つセットされました。ヨーロッパでは、シェアするときはシェアしたいことをきちっと伝えよう、そう決意して目を閉じながら肉団子の肉肉しさを舌の上と上あごで堪能し、スープの完璧さを目の奥で味わいます。美味しい〜!

夜の街を散歩して、宿に戻って裏庭で一服。お向かいのアパートを眺めてみるとオランダの人って夜でもみんなカーテンを開けているんだ。ベッドに寄りかかってテレビを観ているのも丸見え。男性の一人暮らしでも、白いお皿にフォークとナイフで優雅に食事している姿が丸見え。何で何で?何でと思う?とTPに尋ねると、地球の歩き方を調べてくれて、どうやら戦時中の名残らしいと教えてくれます。スパイ活動をしていない証明として、カーテンを開けっ放しで生活しているらしい。あまりにも丸見えだと、かえって目をそむけてしまう。見ないフリして、ジロジロと眺めたいのをグッと我慢して。いつの間にかここはアムステルダム、アムス、テルダム…自分の身体がアムステルダムにあるということが不思議でなりません。