冬の朝

誰かを怒鳴りつけた翌朝は

さぞかし仕事へ行きたくなかろうと

自称いい奥さんは早起きしてTPを見送りに。年末の朝は、どこもかしこも透き通っています。TPは、親指だけかと思ったら、人差し指も突き指していたらしい・・・パンを食べるのにも、コートのファスナーを上げるのにも、イテテ、イテテと大騒ぎしていたっけ・・・。不器用って本当に大変ね、そう同情します。これまでの鬱憤を、少しだけ返してやったことに満足したのか、TPは思いのほか嬉しそうに改札を抜けて行きました。


家に戻って、弟夫婦の朝食を準備します。朝10時に出かけると言っていたのに、相手の事情で13時出発になったらしい。弟が、近所のつけ麺をまた食べたいと言うので3人プラス赤ちゃんで行ってみると、ひと口食べた瞬間に、弟は氣分が悪くなったらしく、食べられないと言います。通常でも多い量のつけ麺。あたしは必死こいて1.5人前食べました。寝込む弟。まだ年賀状は1枚も書いていません。重たい腰を上げて、星野源のCDを流しながら年賀状を書き始めると赤ん坊が小さいマラカスを鳴らしてノリノリになってきました。人見知りが激しくなって私のことなど無視していた赤ん坊が、どんどん年賀状書きのテーブルに近づいて、テーブルを揺らしてくるのであたしもそれに合わせて、歌ったり踊ったりして見せます。喜ぶ赤ん坊。この機会を逃すまいと、もっとノリノリで歌って踊ってみると、赤ん坊もリズムに合わせて手拍子を始めます。アルバム1枚分、歌って踊って。進まない年賀状。やがて弟が目を覚まし、弟家族は出かけて行きました。

年賀状は、心を込めてコツコツと進めるのが好き。祖母が亡くなったので今年は喪中ハガキやねと先日、父に言ってみたところ、お前はよかろうもん、普通に出せば?とのこと。そうか、家を出るってそういうことなのかも知れません。なので年賀状には「祖母が95歳で大往生!」と書いてプリントしてみました。不謹慎かな?でも祖母は注目されることが好きだったので喜んでくれているでしょう。

夜、大分のTPママから荷物が届きました。おそうざいが入ってる!助かった!早速晩ごはんに加えて、戻って来た弟家族とみんなでいただきます。順番に風呂に入って、弟が出先で2度吐いたと言うので、早々に布団を敷いて寝かせます。残業ざんまいのTPが帰ってきたときにはもう部屋は真っ暗。弟家族を起こさないように、そっと風呂に入って、部屋の隅に置いたテーブルで、水餃子スープと鳥カツの卵とじを食べるTP、おいしいと言って喜んでくれるその背中の不憫さ。小さい灯りの下、小さい声で、同僚からで「3年に一度、キレますよね」って言われたなどと話して小さく笑っています。腫れ物扱いされんで済んで良かったね。消灯。赤ん坊は何が悲しいのか3時間おきに、うわーんと泣いて自己主張しています。あたしは明日には、年賀状を書き終えたいと強く願って目をギュッと閉じました。