不機嫌のゆくへ

4日目の朝。7時に起きて、昨日ジョホールバルから到着したバスターミナル行きの路線バスに乗ります。ホテルの人が、路線バスは大回りするから、大通りまで出た方が良いと教えてくれたのに、TPは昨日降りたバス停にしようと決めてしまいます。どうやら、昨日という日が、国境の駅で降りようと決めていたのに、バスの運転手さんに言われるがまま国境で降りて、進んでしまったことを後悔しているよう。でもあたしは大通りに出たいから不満。


早く出たのにバスターミナルに到着したのは、ペナン島行きのバスが出る直前、8時50分でした。私の怒りを察知したのか、TPが急いで朝食のパンを買ってきてくれました。機嫌をなおしてバスに乗ろうとすると、バス会社のおじさんが「車内での食事は禁止!」とパンを取り上げてしまいました。休憩のときに返すと言うけれど、ガッカリは否めません。何だか、昨日から色々と思うように行かなくて、その度に不満が長引くのも嫌。せっかくの旅行なのだから、TPにも色々と強引に?決めないで立ち止まって欲しいと訴えて、TPからも私が怒ると氣をつかって混乱するから少し我慢して欲しいなどと言われて、手打ちとしましょう、それにしても夫婦ってものは…(面倒くさっ!)。さて、旅行のときに乗るバスは、到着まで何時間かかっても景色が動いて行くから楽しい。バスが停車したり途中の都市でお客さんを拾ったりするごとに、バスの運転手さんに私が「何分後に出発ですか!」と不安そうに尋ねるのを不憫に思ってくれたのか、後ろの席の方からエドワード・ヤン似の男性が、まるで私担当のように休憩の度に、近付いてきてくれて時間を教えてくれます。ホッ。そしてバスの運転手さんに言ってくれて、もうバス会社のおじさんはいないし、お客さんも少ないからバスの中でTPが買ったパンを食べて良いことにもなりました。ロールパンのサンドイッチ、おいしい〜。すっかりご機嫌も戻って、見たことの無い街の景色を堪能します。しあわせ〜


しばらく進んで30分休憩。コピオコソンとグアバの塩砂糖まぶし、しあわせ〜


ペナンまでのバスは7時間と聞いていたけれど、案の定。8時間もかかってようやくペナン島行きの橋を渡ります。


17時10分、ようやく到着したバスターミナルは、スンガイニボンという中心地からは20〜30分ほど離れた場所らしい。地元の人たちにも色々教えてもらいながら、タクシーで中心地のジョージタウンという世界遺産の街に行くことに。また世界遺産


たどり着いたジョージタウンは、ガイドブックの写真にあるような優雅な街とはかけ離れた、強烈なクラクション(大渋滞)、フタの無い側溝から立ち上がる汚水の臭い(落ちないように氣をつけねば)、世捨て人たちが集まるような安宿街(、あふれかえる観光客の人々、どうやら面白そうな街。あちこち尋ね歩いて、ようやく今晩の宿を決めました。よぼよぼのおじいさん3人が受付のオリエンタルホテル、一泊110リンギット。古い上に、改装工事中の部屋もあって廊下にはブルーシートが敷かれているけれど、今日は移動でくたびれたからもうここにしましょう。

シャワーと洗濯を済ませて、ホーカーズというフードコートへ。食べたいものをメモ帳にあれこれ書き写したから、お店の人たちにも売り場を教えてもらって色んなものを食べることができました。焼きそば(チャーコイテウ)10、魚スープ麺(アッサムラクサ)5、イカ空芯菜炒め(ソトンカンコン)10、生春巻き12、サテー2本11、瓶ビール16リンギット。賑やかで楽しい〜。あの夫婦はひと皿ずつ晩ごはんだなとか、あのグループはひとりだけ超美人が混ざって持て余してるなとか、人間観察もできるし、他の席の人たちが何を食べているのかを見るだけでもしあわせ〜。それにしても、シンガポールだけじゃなくてマレーシアの人たちも本当に食べ物をよく残します。半分以上残して帰る人たちも。不思議でなりません。

夜の10時。ホテルに戻ると何となく嫌な氣配が。試しに「蚊に効くワンプッシュ」を5プッシュほどプシュプシュしてみると、カーテンの影や壁の隙間からゴキブリの赤ん坊がチチチッと5匹ほど出てきたので腰が抜けそうになります。ここは7階の部屋だと言うのに、ひぃ〜!

ペナンには連泊するから、明日は絶対に別の宿を探そうと言って、窓から夜のジョージタウンを眺めて、いつまでもぼんやりしています。眠るのがもったいないような感じで。夜中に打ち上げ花火が上がりました。明日は一度もご機嫌ななめになりたくないな〜グウグウ。