モルダウの川よ

3泊したホテルで最後の朝食。今朝は昨日の不親切なブー子じゃなくて最初の美人で優しい女の子です。ニコッと挨拶をして、なるべく上品にハムやベーコン、パンを焼いてゆで卵とヨーグルト、ジュースとコーヒー、フルーツとサラダを取って朝ごはんです。ゆっくりと食べ終えて、親切で美人な受付の女の子に、教えてくれたレストランに行ったよ、とってもいい店だった、みんな親切で料理も本当に美味しくて、そう言うと、本当?Bredovský Dvůrね!(聞き取れない)、アイムハッピー、そう言ってくれました。3日間、本当にお世話になりました。本当は広い部屋なのに宿代をまけてくれたお礼なんかも言いたいところだけれどその語彙も持ち合わせていないし、お仕事の邪魔をするのも悪いし、あまり長く喋ってもイキじゃないように思えて、チェコ語でありがとうとだけ言ってチェックアウトします。ドゥクユバーム!


残り少ない時間、黒いマリアで有名だというカフェへ。キュビズムで有名だというカフェは、地元の高校生たちもその建築を学びに野外学習に来ているほど。学生たちの間を塗って、階段を上がって、上品なウェイターの人に案内されて、席に着きます。窓から、たくさんの観光客の人たちを眺めて、みんなが外壁の黒いマリア像を写真に撮るのを見つめます。今日で最後か。


TPが、どうしてももう一度カレル橋沿いの川に行きたいと言うので、付き合います。ガイドブックをチラッと見ると、ヴルタヴァ川という名前の後にカッコして「モルダウ川」あります。あら!?TP、これってモルダウ川やない!?そう興奮して言うと、だけん最初から何度も言っとうやん、これがモルダウ川ってよって。スメタナよって。でもお前が違うよ、ヴルタヴァ川よって言い張るけん放っておいたと。とのこと。そうだったのか、ここがモルダウ川だったのか!!でも、どの世界にも聞く耳を持たない人っておるよねー、そういう人には、その人が自分で氣付くまで待つしかないよね・・・そう思いました。



重たい足取りで駅へ行って、空港までのバスを待ちます。30分ほどしてバスが来たので乗り込みます。韓国からの観光客がドカドカドカッと割り込んで、ずっと並んでいた人たちは苦笑い、でもそんなことはどうでもいいんだ、これが中欧流。近くにいた女性に、お尋ねしてもいいですか?イェス、空港まで何分くらいでしょう?と尋ねると、30分くらいだと思いますよ、とのこと。ぎゅうぎゅう詰めのバスで、私が座る席の足元が空いていたのでギュウギュウしている女性に荷物を置いたらと身振りで示して喜んでもらって、椅子も半分こしましょうとポンポンと座席を叩いてすぐに座ってもらって、さようならプラハプラハの下の方は地下鉄で行ったけれど上の方は初めての景色、たっぷりと堪能して空港へ到着します。

空港の食堂で、最後の地元料理。広い店内をたったひとりのウェイターが切り盛りしています。最後まで慣れなかったチップを置いても、さほど感謝していない様子で、クールなウェイターさん。

ドバイ行きの飛行機では、行きの飛行機で見つけて最高!と興奮したコメディードラマ「Portlandia」の続きを見ます。二人の登場人物が、色んなパターンの夫婦や友人やら、ありとあらゆる登場人物になって、音楽プロデューサー、ラジオDJ、フェミニスト、エコロジスト、グルーピー、オタク、上流階級の人、色んな人物を演じて、スパイスを効かせたような皮肉な展開と、甘いデザートのようなシーンで、何度も吹き出します。手帳に「Portlandia」と書いて、帰ったら借りてきて観よう、そう誓います。


ドバイに着いたからってちっとも嬉しくない。これから時計を5時間進めて、一日がかりで帰るんだもの。ドバイの空港内のレストランで、またしても「チップは含まれていないから、いくらチップをくれるか入力して」とカード払いでも氣を抜けない、どこまでも続くチップの苦しみ、ビール2杯とジュース1杯で、まさかの日本円3800円と表示されていたのでチップどころでは無いとパニックになって、いくら入力していいかわからないと訴えると、それまで優しかった店員さんも、オーケー、チップ無しってことね!と冷たく追い出されて。

乗り込んだ飛行機では、TPとはバラバラの席。私は案外平氣だけれど、TPはとても残念がっていたので、どう過ごしているかしら?とトイレのついでに覗いてみると、TPは口を開けて眠っていました。昼の3時過ぎに乗った飛行機は、明日の午後4時過ぎに成田に到着します。どれだけ遠いんだ!