ええやんええやん

元お父さんの亡骸、おはよう!棺桶を覗くと、蝋人形が横たわっています。おつかれさん、長いこと私たちみんなのために働いてくれてありがとう。単身赴任先からも毎週帰ってきてくれたのに、家族は誰も喜んでいなかった、早く戻ってくれないかなーと思っていた、そのことを私たちはとても悔いています。帰りたがったんだっから、その寂しさに氣づくべきだったと、泣くほど悔いています。今日は焼き場が休みということで、葬儀と火葬は明日の13時になりました。母とジェットバス。「朝風呂最高やね」「お父さんのお陰よ」

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母と歩いて近所のスーパーへ。

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サニー、久しぶり。

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鯛、安っ!

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マルタイラーメン、多っ!

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おむすびひとつと、小さいお惣菜を買ってきて朝ごはん。「漬物は昨日の方がおいしかった」「胡麻和えおいしっ」

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歩いてみたい道があったので、朝ごはんの後で歩いてみます。

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七隈緑地だって。へー。

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高台っていいな。

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夕べ、若者で大行列だったラーメン屋。どうしてもまだ父がベッドに寝ているような氣がして、早く帰らないと行けないようで焦る。たった12日間の看病だったのに。たった12日間だからこそ。斎場に戻っても、ちょこちょこ忙しい。あちこちに電話したり、電話を受けたり。もう母は電話くたびれたと言って、私が出て知らないひとに葬儀場の場所を伝えたり。あれ?家族葬って言っていたのに、何だかそれでも来て下さる方がいるらしい。写真の額も選びます。顔色が良く見えるよう、ピンクにしました。

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弟一家が昼ごはんにとかしわめしを買ってきてくれ、宮崎県からも父母の友人が来てくれました。子どもの頃、お隣りに住んでいて仲良くなったおじちゃんとおばちゃん。今でも交流が続いているようで、一緒に温泉に行ったりしているらしい。父も退院したときは宮崎と福岡から半分の距離で落ち合って、温泉行こうとか話していたのに結局父はどこにも出かけられなかった、ドライブにも、一緒に写真を撮ることさえしなかった。

 

夕方、父の元同僚の方々も見えて。電報も届いて、明日の葬儀の司会の方と打ち合わせをして、(母、話し長っ!「女好きだったけど、最期は『お前で良かった』って言ってくれて、泣、食事も、ぬるい!って怒られて)また父の職場の方がいらして。TPが母の携帯に電話をくれました。やばっ、家で待ち合わせてたんだった。ひとまず家の近くの喫茶店におってねと電話を切って慌てて帰ろうとすると、子どもの頃同じ社宅だったおじちゃんと、最後にお世話になった会社の社長が家まで送ってくださることに。

 

おじちゃんも奥さんを亡くされて、今はひとりで自炊までしているそう。ひとり娘のNちゃんはホテルで働いた後で職場結婚して現在はお子さんがいるそう。懐かしい。TPとも無事に合流、紳士服屋さんへ。喪服が無いから買うそう。最初に5万円くらいのを見ていたら、色が真っ黒じゃなく少し安っぽいように思ってTPにもそう伝えます。TPは指を折って「あと、少なくとも4回使うか、しかも近日中に」と言って少し良い方も試着してみます。門父、TP父、門母、TP母、そんな感じの順番を想定して指を折ったのでしょうか。どちらにしても閉店間際、蛍の光、また明日の朝イチで来ますと言って、一旦家に帰ります。

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家に戻ると、父の介護用ベッドがあったところは何も無くなっていました。窓側に父の作った棚があって。父のペンやらメモやらがきれいに整理されています。

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父は几帳面だから。私はやっぱり胸がいっぱいで、頭は真っ白で、TPには晩ごはんに、うどんのウエストへ行ってもらうことに。「肉ごぼう天うどんよ」とメニューまで決めちゃって。ひとり、父のベッドのあった場所で寝転がって。「お父さん、ただいま!」明日はお父さんの葬式よ、とは言えません。

 

やがて、どやどやと、母と京都の伯父伯母が戻ってきました。京都から新幹線で来て、地下鉄に乗ってタクシーを使って葬儀場へ行ったという伯父伯母。今日から2泊するそう。

 

TPも帰ってきて。伯父から「自分がこないだくれたお土産の、とらや。あれ調べたら京都が本店やった」とか言われています。明日の朝はTPと喪服を買いに行くと言うと、母伯父伯母3人が、父の喪服を試しに着てみたらと強くすすめるので、父のクローゼットへ。父の喪服は、上着はTPにピッタリ、下のズボンはファスナーが締まりきらないけれどベルトをすれば何とか行けそう。下に降りて、母伯父伯母にも見せると「いいじゃん!」「ええやんええやん」「ピッタリやん」「ズボンがちょっと長いみたい」「でもええよ、よう似合ってるで」と大絶賛。私も、TPが父の喪服をもらってくれたら嬉しい。「ズボンはお直ししいよ」「いえ、僕が痩せます」TPギャグに母は「そうよ!」と痩せさせる方向で話しは着地して。

そこから、私と母も母のタンスから喪服選び。なんでもいいやと思っていたものの、とにかく母は肥って、入る入らない、せめてちょっとでもよく見えるものを。私はなぜか奇跡的に誰からかもらったというシンプルな半袖ワンピースがピッタリ。京都の伯母ちゃんにも、母と交互に何度もファッションショーして見せて「ええやんええやん」と言ってもらって。これで明日は安心です。伯父はひとり、暗い部屋で珍しくテレビをじーっと見ています。

 

夜、シャワーを浴びて、今日も父のパジャマを着て眠ります。私、こんなに父に依存していたっけ?自分でも何が何やら。案外、私と父のサイズはほぼ一緒だったことに今さら。昼間は父のジャージを履いて過ごしているし。福岡は、まだまだとにかく暑いです。