男鹿半島

朝起きると、大雨です。轟轟と川の水が流れています。朝風呂。入るたびに、身体のピリピリ度合いが上がってきます。

朝からシシャモやガンモ、玉子。タンパク質多めです。

草間彌生さんのカボチャが、宿泊客を見守っています。朝食会場での話題は病気の話し。「あのおじいさん、余命半年って言われたのに、もう16年だって」「とにかく眠くて。やることねーんだもん」「それ、ここに来たばかりの俺とおんなじ症状。最初は眠くてたまんねがった」

ひと休みして、チェックアウトします。提携しているらしく、新玉川温泉の入浴券もくださいます。マイクロバスで向かいます。

それにしても、玉川温泉の旅館のひとたちは、誰もが親切だった。病気の方やお年寄りが多いからか、心からの笑顔で接してくださいました。聞こえてくる話題も「ここで働きたいね」「ほんとうに!」「でも給料安いんだって」あはは。

新玉川温泉はもう、温泉に入り過ぎたのか、入って5分も持ちません。全身ビリビリに耐えられなくなって、すぐに出ます。

あちこちに咲いている白い花、コブシかな?それにしては背が低い木だと思っていたら、バス停に答えがありました。タムシバ。聞いたことのない花の名前、きっとすぐ忘れてしまうでしょう。

それにしても大雨です。もしいま、自分がガンを患ったとして、玉川温泉で湯治するだろうかと考えてみたりします。距離も遠いし、ビリビリするし、手もカサカサになって、ここで療養できているひとたちはお湯にも慣れるだろうか、湯治にも体力がいるだろうかと想像してみます。

皆でぐうぐう眠りながら、田沢湖駅までバスに乗って戻ります。

田沢湖駅の縄文遺跡の展示。石匙が何とも格好いい、私も首から下げてみたいと憧れます。

今日からは秋田駅に宿泊です。秋田県はまだ田植え前。また新幹線で移動です。というより新幹線しか走っていない様子。

角館の桜並木を歩いたのが遠い昔のよう。

温泉に当たったのか、食欲ゼロなのでまた稲庭うどん

TPは、レンタカーを予約してくれていました。

男鹿半島というところへ行くそうです。

ラピュタみたいな、何とも知れない恐ろしさが見えたと思ったら風力発電郡でした。その暴力的なこと、貴重な海岸沿いを巨大な機械で殺しているかのよう。

トイレ休憩で立ち寄った道の駅で見かけた、苗。この県のひとたちは何でもトラックで運んでいるように感じます。急に、軽トラックが欲しくなります。湯当たりでしょうか?体調が急激に悪くなっています。

なまはげ館へ。なまはげ文化を守ってきた、その人間の暮らしに胸を打たれます。

Jさんが以前、送ってくれたなまはげエコバッグが売店に!私が常にリュックに入れているなまはげエコバッグも、里帰りできて喜んでいることでしょう。

それより、なまはげ体験があまりにも恐ろしくて、彼らが登場してギャーッと叫んだっきり、目も合わせられません。私が怖がるものだから、生なまはげたちもサービス多めに怖がらせて来ます。この家の嫁のみつこだと疑われて、夜遊びするなと叱られて「はい!夜遊びしません!」と誓わされます。

あぁ、恐ろしかった。それでも、病を払ってくれる大切な神様でもあるから、藁を拾ってお守りにします。気がつけば、湯当たりのような風邪のような症状が、たっぷり叫んだお陰か、少し良くなっています。TP「なまはげも、門の叫び声にビクーッとしとったね」生なまはげの方たちはとても渋い声でした。

TPは、寒風の中、ゴジラ岩なるものを見に出ていきました。

どれほど待っても帰ってきません。日本海の荒波。TPがもし海に落ちて死んだら、私はどうするんだろうと思う頃、ようやく車に戻ってきて「ゴジラに見えん。時間帯があるらしい」どうやら潮が引いていないとゴジラに見えるスポットに歩いて行けないとのこと。あはは!

もう少し進んで、でっかいなまはげを見て。

男鹿半島の波の、匂いと景色が身体の中で燃え広がっています。

TPは駅の向こうまでレンタカーを返しに行ってくれました。本日のお宿で、湯当たり体調不良をなだめます。

夜、駅前のきりたんぽ屋さんへ。

お銚子一本でこのお値段!

お通しもこのお値段!それでも、味はとても良いお店。

ホテルのロビーにある絵本を開いて、曲げわっぱについて学びます。私は曲げわっぱを買いたいから。ドキドキです。