さくら草

monna88882013-04-30

お仕事帰り、近所の神社に寄ってみると桜草が100鉢ほど飾ってありました。珍しいので写真を撮っているとお賽銭を回収していたおばあさんが「今年はもう終わり!」と言います。自分はこれまで江戸時代から伝わる桜草を毎年何百鉢も育てて来たけれど、今年は5月になる前に花が終わる。50年も育ててきてこんなの初めて!と熱く話してくれました。桜草は種がない。全てが根で繁殖する。江戸時代の下級武士たちが花粉を交配して300ほどの品種を作ったけれど、基本はピンクと白だから、黄色の花とかは見たことない。江戸時代の武士ってのは、よっぽどヒマだったのねって話してるのよ。だって戦争も滅多になかったでしょ?首取ったーとかないわけだから。桜草ってのは、葉っぱは全部同じ。花だけがちょっと大きかったり、色が違ったりするだけ。産地は北海道から熊本まで。毎年、根っこを80人ほどに郵送してるのよー。


お喋りに圧倒されて、お参りもせずに後ろ歩きでお礼を言いながら、桜草にここまで熱い思いを傾けている人がいるとは、全く知らなかったので、もうこれからは桜草を見かけたら、絶対に種ができないことと、黄色はないことを肝に銘じて、じっと見てみようと思いました。何度目かの去り際に聞こえた声は、根っこは、もやしみたいなのよーとのことでした。