バラバラ、バラバラ

朝、地下鉄に乗って両親の泊まるホテルへ行ってみると、父がロビーまで降りて迎えに来てくれていました。「母ちゃんが窓から見よって、歩いて来るのが見えたって」とのこと。カードキーをかざして部屋に入って一服します。母は倍返しノートやら嵐の生写真を出しては自慢しています。


上野の改札で伯父伯母と待ち合わせて、いざ水戸へ!父と叔父、母と伯母が一緒に座って私は見知らぬ葬式帰りの女性の横に座らせてもらいます。スーッと走る常磐線の特急は、伯母からもらった京都のあんみつなどを食べているとあっと言う間に水戸へ到着しました。バラバラに歩き出す父、母、伯母、伯父。バラバラ、バラバラと好きに歩いて昼ご飯のそばを食べます。父は生まれて初めてざるそばを食べたとしきりに言っていました。そば嫌いだから。2家族に別れてタクシーに乗って、ご先祖様の待つお墓へ。またバラバラの速度で好き勝手に歩いて、お坊さんにご挨拶して修理の終わった墓でお経を上げてもらいます。お坊さんが、あそことあそこ順番が違ってるね、あのお墓は部品がひとつ無くなってしまって見つからないけど何とか修復したから背の高さが違うね、などと説明してくれていました。


また特急に乗って、上野まで戻って、夜のごはんまで時間があるので地下鉄で浅草へ行きました。誰もが行ったことがあるけど時間つぶしらしい。バラバラと歩いて、バラバラの団体でぞろぞろとお参りしてバラバラとまた歩いて。母だけが行く先々で人形焼きやらお土産やらを買っています。


日が暮れたのでバラバラと歩いて、上野の韻松亭(いんしょうてい)で晩ご飯。突然母が、食べられんくなったと、大仏様のように不機嫌になりました。どうやら日中歩き過ぎたのでばてたらしい。仕事帰りのTPもやって来て、大人6人で腹15分目まで食べて、ふうふう言いながらホテルへ戻ります。父は「そばってあんなに固いもんなんか?」昼から何度もそうつぶやいていました。私は東北のソバは固いとよと答えて終わり。母は「うん、ちょっと固かったよ」どうでもいい会話がずるずるで続く時間、たまらないわ。「よし帰ろう!」そう大きな声で宣言して、私とTPは地下鉄で家へ帰って来ました。