おくりびと

monna88882014-08-26

おつとめさきで、痛風持ちで心の自由の範囲が拾いSさんが数日前、木のサーバースプーンセットがあるけど、いる?と尋ねてくれました。一度断ったあとで振り返ると私はいらないものはいつもいらないと、たったキャラメル1個でも断り過ぎるところがあると、このところ自分の中でも思うところがあったので、やっぱりいると答えたところ、色んな種類を10本持ってきてくれて、好きなのを選んで余ったらみなさんで分けてとのこと。思っていたよりも数があったので、お隣りのRさんとSたんと笑います。巨大なおたまや、どう使うんだろうというフォーク、ケーキサーバー、女性達に声をかけると誰もがまず吹き出して、戸惑って、強いて言うなら…これ?みたいな感じで持ち帰っています。そして誰もが良く眺めたら結構氣に入ったようでニコニコしているのが面白い光景です。私も最後に残った2本をよく眺めてみると、何だか面白いんじゃない?とだんだん氣に入って来ました。いいものもらっちゃった。


仕事帰り、TPと待ち合わせてホンサンス映画を観て帰りました。「へウォンの恋愛日記」。何てフラットな視線!母がカナダへ移住してしまって淋しくなった女子大生が、元恋人の教師を電話で呼び出して…本人たちが真剣なほど映画に映るとこっけいで、客席のホンサンスファンたちも爆笑しています。(全くファンじゃない人たちはもちろんクスリとも笑いません)あぁ、ホンサンスの小さな哲学とほんの少しの毒っけと、映画のお約束なんて重要じゃないでしょって感覚、何だか全部がバカバカしいところが、もっと自由に生きよう、そう思わせてくれる映画でした。


今日でお別れの人たち3人に、それぞれ選んだお礼のものを渡したりデスクに置いたりして帰りました。普段お仕事しているとあまり喋ることができなくても、やっぱり自分で選んで渡して良かったと思うような、嬉しそうな笑顔をくれるのがたまらない氣持ちになります。私が平日休みのときに何度も助けてくれた貧乏青年H君には、真っ赤な折り畳みシリコン弁当箱。白ごはんだけをタッパーで持って来ていたので、レンジでチンもできるし、色も元氣が出るかな?と思って。「これ、めっちゃ使います、俺。昼ごはん食べるたびに思い出して、がんばります」と言ってくれました。泣きそう。ところどころで的確なアドバイスをくれたTさんには、取材があるときにカメラを磨ける、小さなレンズ磨きを。ネクタイ柄で可愛いかな?と思って。また会えるからね、とお互いに言い合ってニッコリしてくれました。コーヒーの本を貸してくれた年下上司は有休だったので、コーヒー豆柄の手ぬぐいをデスクに。頑固な年寄りみたいな性格だったので銭湯巡りでもして楽しんでとメッセージを残します。さようなら、さようなら。全員の嬉しそうな顔を心のカメラでパシャッと撮って、何度もその笑顔に励まされているのです。ここ数日の、お別れする人へのあまりの熱心なプレゼント選びっぷり、そのことばかり考えている暮らしぶりにTPが「お前…おくりびとやな」と言ったので大笑いしました。何十人も勝手に見送ってしみじみとなって、なぜ私は転職しないんだろう。


答えはもちろんひとつです。そこに仕事があるから。さ、もう寝よう寝よう。