アートと友人

monna88882014-08-27

RCと待ち合わせをして銀座のギャラリーに行きました。2時間前から準備していたのに、30分遅れてしまうという不思議、公衆電話からアワアワと電話をして謝って駆けつけます。尽きないお喋り。RCがお世話になっているAさんの旦那さん、Mさん(森田秀樹さん)が作りあげた作品を観に出かけた、ギャラリー現、その小さい空間にはガラスのドアを開ける前から見える膨らんだビニールの筒。開けてビニールの袋を分け入る瞬間、その中にたたずむ時間、ビニールに触れる感覚、そして空氣の重み、淡くなる光、体験型の楽しさを全身で味わいます。震えるほどに。「よくそんなに遊べるわねー」とギャラリーの女性が誉めて?くれたほど、空氣の中で遊び続けていました。


ギャラリー現のお向かいのビルに、古い建物がありました。画廊の文字が見えたので入ってみると、ビルごとギャラリー三昧、そのビル自体が何と手開け式のエレベーター、中央に小窓を挟んで階段がなぜかふたつ並んでいる造り、中でもさわらびという場所で出会った木工彫刻にRCとふたりで完全に魂をやられました。作家の方の名前は本当に覚えやすい名前、佐々木誠さんと言う方だそう。手で触るとその重さや軽さ、ギャラリーの空氣、配置、次の作品までの距離、どれをとっても家族よりも親密な家族に出会ったかのよう。どの階にも歩く喜びがあって、好きな部屋を選んで訪ねることができます。


少しぶりに友人に会ったら、あの悩みやこの辛苦を話そうと思っていたことが全部どうでもよくなって、小さくなって霧になって、ただただお喋りをして惚けていただけのようにも思える。誘ってくれてありがとう、お陰で生まれ変わったかのような不思議な平日休み、美味しい珈琲、話題に出る他の友人たちにすぐ会いたくなるような郷愁に似た感覚、猿山の猿みたいにただ一緒に銀座にいられて楽しかった。アッバレじゃなくて曇り空の中、アートと友人ってすごいなと思いました。もしかしたらそのふたつの本質は、同じもの、同質のものかも知れません。芸術と親友でも、美術と友達でもその呼び名は自由に放って。喉が枯れそうなほどお喋りして家に帰って、あー楽しかったーと言いました。ギャラリー現とギャルリさわらび、9月の第一週までの少しの時間にでも、たくさんの人が訪れますように。