吉増剛造。竹橋。近代美術館。

monna88882016-06-22

今日はRCがメールでいくつかリンクを送ってくれた展示の中でふと氣になった「声ノマ 全身詩人、吉増剛造展」へ出かけました。千代田線の明治神宮前(原宿)駅の先頭車両でRCと待ち合わせて、お喋りしながら向かいます。二重橋前で降りたことが無いかもと言うと、そこで降りて歩いて行こうとなって、ふたりで平川橋という橋を渡って、てくてくと竹橋の美術館に向かいます。

毎日新聞の古いビルの地下で中華を食べていざ竹橋の東京国立近代美術館へ。吉増剛造さんと言う人のことを私は知りませんでした。詩人だそう。黒いカーテンを割って館内に入ると、黒い紗(しゃ)のような布で仕切られた6つの空間、大量の日記(時代ごとに変わるノートが何十冊も!)、たくさんの二重露光の写真(全く違う場所が1枚の写真に重ねて映されて夢を見ているよう)、文字が刻印された長い銅板(圧倒的!)、大量の声を録音したテープ(その数と展示の素晴らしさ!)、大量の原稿(その文字の数たるや!)、語りと同時にCDを録画した映像作品(ここでも音楽が重なってる!)…どれもこれも、チャーミングで、量もたくさんあるので、吹き出して笑ったり、キュンとしたり、RCとキャッキャと盛り上がったり、ただボーッとしたり、ここ数年で最高と思えるほどの展覧会。RCも今年色々見た中で一番とのこと、ふたりで何度もキャッキャとなります。


うっとり。


うっとり。


天井から垂れる分解されたような小さなスピーカーの真下に行くと、音を独占できる楽しみも用意されていて。それほど大きな空間では無いのに、どうしてこんなに濃いんだろう。展示法が最高で、歩く順番の構成も、並べ方も、音の聞こえ方も、全てが完璧。リピートするかも、リピートしたい、などとまたキャッキャとお喋りしちゃう。絶対にリピートしたい。


美術館を出ると、海外からいらしたおじさんに写真を撮ってと頼まれます。シャッターを押して写真を見せると、もっとズーム、そう言って私にオブジェの前に立つように指示するので、ニッコリと笑って写真を撮ってもらうと「これくらいのサイズで」との指示。サイズ感を見せるためだけの写真だったよう。それはさておき、外の椅子に座って持参のお茶を飲みながら、館内の面白かったところを思い出し笑いしながらお喋りしたり、お互いの仕事のことを喋ったり、そのまま皇居のお庭を散歩して本丸跡に上がって景色を眺めながら最近のことをお喋りしたり、芝生に寝転がってまたそれぞれ好き勝手にお喋りします。RCが芝生にキノコが生えていると言うのであらためて見てみると、そのキノコの数たるや、どこからでもニョキニョキ、あちらこちらに好き勝手に生え放題。閉園時間が近いと係の人が教えに来てくれたので、腰を上げて大手門の方へ出ます。


吉増剛造。こんな人が同時代に生きているだなんて。ちょっと生き方が変わりそうなほど、集中力のある作品でした。私もこんなお爺さんになりたい!あ、間違えた、お婆さんになりたい!毎日色々あるけれど、明日からもがんばろう、そう思える展覧会です。