有給休暇を消化するための休日、第一弾。たまたま今日がお休みだったＴＰと、新宿へ大分のお母さんの誕生日プレゼントを買いにでかけます。本当はもっと前に買っておきたかったけれど、ＴＰは人員削減で週１回しかお休みがもらえず、私は色々と心煩うことがあったので自分のことばかり考えて、くたびれ果てていたっけ。最近本を読んだばかりなので、新宿駅地下街のベルクへ行きたくなって朝ごはんを食べます。本で仕入れた知識で食べる定食は、こだわりのパンとパテ、ハム、ソーセージ、コーヒー、ＴＰと分け合って食べました。量が足りないかな？と思うと、食べてからしばらくたっても、胃の中にずっしりと選ばれた食べ物たちがいる、そんな感覚。京王デパートでＴＰママに似合いそうな、大人っぽくて驚くほど軽いダウンベストを見つけて嬉しくなります。襟元は膨らんでふっくらと暖かそう、一番上のボタンはダッフルになっていて、こっくりとしたグレーの色がとてもステキ。今日は何だかいい氣分です。
久しぶりに新宿西口へ。都庁へ上がってみました。都庁は北と南に展望台があって、どちらでも無料で上がることができます。北にするか南にするかでＴＰと軽く揉めたあと、南側に上ってみました。４５階の展望台まで５５秒で上がるそう。見知らぬおじさんたちと同じエレベーター、同じタイミングで同じ日に上へ上へと上がりたい氣分が一致したあたしたち。わ、虎ノ門ヒルズ。わ、明治神宮ってあんなに大きかったと！？わ、馬事公苑が見える、あ、馬がパカパカ走っとう！
勢いづいて北側にも上ってみました。海外からの旅行者もたくさん。西側のＴＰが働いている街に向かって、ＴＰ、がんばってねーと手を振ってみました。東側に向き直って私が毎日一所懸命働いている街に向かって、門、がんばってるねーと手を振って応援します。タクシーがおもちゃみたい。
ぷらぷらと歩き回ってゴディバのチョコドリンクを飲んだり、本屋で立ち読みしたり。平日の昼間の新宿は、お風呂に入っていないような姿で、独り言を大きい声で喋り続けている人が３人もいました。きっと何かの吹きだまりなんだ。さぼっているサラリーマン、ミニスカートで中年男性と腕を組んでいるの女の子、中国からの旅行者、持て余した表情の学生たち。交差点を渡っているとＴＰが私をつついて「摂津！」そう教えてくれたので振り返ると、まさかの摂津くんが！思わず後を追いかけて、じっと後ろ姿を見つめます。あぁ、日本一おめでとうって言いたかった！そんな勇氣もないので遠ざかる背中を見つめて、肩を休めて、また来年も先発をしておくれ、そう祈るように見送ります。
この頃、だんだんと新宿がまた元氣になってきた。ゴジラのお陰かな？新宿が嫌い、飽きた、古い、人が多過ぎる、そんなことを色んな人から聞いたり、そう思った日々もたくさんあるけれど、ちょうど良い氣候の日に、何も考えずに歩く平日は、新宿は本当に優しい街だと改めて感じました。誰のことも弾き出さないようです。己の我の強さゆえに悩んでいたことも、薄まって行きます。
