心の宝物

monna88882015-11-14

都庁の展望台、ふたつあるうちの南側の方で見つけたハンカチは、お相撲柄です。土俵入りのシーンと見比べてみると、ちゃんと横綱のポーズの人だけが、化粧回しの上に綱をつけていることがよくわかりました。前に買っていたこけし柄と並べると、どうやら同じようなデザインだとわかります。子どもの頃から小さい絵柄が並んでいるものにとても弱かった、小学校一年生のときに母が買ってくれたピンクの傘、小さい家とか羊とか、女の子や何だか色んな絵が並んでいる傘が好きで好きで、ずっと持って遊んでいましたが、ちょっと氣取って傘の持ち手に腰掛けてみたところグニャッと曲がってしまいました。今生最初の激しい後悔を知った日でした。


お休みなのをいいことに、11時頃に起きると、ニュースでテロがあったと知って居たたまれない感じになります。まずは床に突っ伏して死体のフリをしよう、そうシュミレーションを繰り返し頭の中で。脳内対策です。

それからはスープのことばかり考えて暮らした

それからはスープのことばかり考えて暮らした

それからはスープのことばかり考えて暮らした。図書館で目について借りた小説は、前に読んだことがあったはずなのに、そのときはツルツルとすべるように読んでいて、全く興味がない世界でした。今日読んでみると不思議、これが小説なのかも知れないな、そう思いました。喉が鳴りそうなほど、美味しそうなサンドイッチが描かれています。頭の中では「パノララ」と同じアパートを思い描いてしまって、その二つは全く同じ町内、同じ景色になっています。小説の中だけの地図が確実にあるようです。

浮世でランチ

浮世でランチ

浮世でランチ。続けて図書館で借りた本を読みます。一行目からグッと来て、だんだんと、そんなに意地悪いところを描写してくれなくてもいいよ、その後でまたグッと来たりしました。まるで自分のことかのように、団体でお昼ごはんを食べることが芯から苦手な人が登場する小説は案外多いけれど、もしかするとほとんどの人がそうなんじゃない?と思えるほどの説得力。20代、アルバイト生活から一転、生まれて初めて派遣社員で勤めた頃、派遣先の会社で自分がそういうタイプだと知ったとき、ものすごく戸惑いました。図書館に行くので、そう言い訳してだんだんと合同ランチを離れてみると、必ず図書館で一緒になった別の部署の派遣社員の女性がいました。何度すれ違っても目配せしかしなかったのに、彼女が辞めると決めたあと、花束を抱えて最後の地下鉄で3駅だけ偶然一緒になって、好きな本についてお互いに弾丸のようにお喋りし合ったことが忘れられません。山本文緒、面白いよね!が最後の会話で、それぞれの電車に乗り換えました。そういう人がいてくれることが、何度でも取り出せる思い出の中の宝物になるのですね。