観られなかった映画

早起きをして、富士そばで掻き込むように朝ごはんを食べて、TPと映画館へ行きました。「ライオン」、DVDやら映画館やらで予告を何度も観て、もうラストまではっきりわかってしまうような展開、あたしは観なくても十分だよと思いながら、セブンイレブンでアイスコーヒーを買って映画館へ行ってみると、まさかの。朝イチの回から、最終回まで、全部の席が「完売」でした。


完売、ですか?とわかっていても係員の人に尋ねてしまいます。そして、せめて他の映画、ライオンはライオンでも、3月がついているライオンの映画は?とか、ドラえもん?とか検討した結果、ただロビーで買ったばかりのアイスコーヒーをチューチューするだけが関の山です。

おそ松くん映画を観に来ている女の人がものすごく多いことは、彼女たちの提げているバッグ、透明ビニールでコーティングされたトートバッグにビッチリ、おそ松くん缶バッヂがつけてあることでわかります。そして数年前に話題になった小説が原作のアニメも、夕方まで完売。コーヒーをチューチューと飲んで、雨も降っているので家に帰ることにしました。


TPが借りてきてくれたDVDを観ます。

怒り Blu-ray 豪華版

怒り Blu-ray 豪華版

怒り。あなたが最近出会った、そしてその大切な人が残虐殺人の犯人かも知れない、という群像劇、3組の関係性の物語。とってもいいなと思えるところと、ちょっと無理があるんじゃないかなというところが重なって、出ている人たちが全員、真剣な演技、最後は、何だか作っている人たちがわざと長くしているんじゃないか、むしろ悦に入っているんじゃないかと思うほど、長くて、長くて、長いラスト、無くても良いようなまさかの展開に困ってしまいました。それをせざるをえない人じゃない人にその役目を負わせるのは納得行かねー、そうあえて言いたくなる映画です。

聖の青春。さとし君が、病を抱えながら本人の人格を持て余すように、将棋の中でただ我を通すように生き抜いて行く映画は、その存在を知らなかったあたしに、まるで目の前で生き返ったかのように、ずっしりと染み込んで来る映画でした。映画を観ながら何度も、そのシンプルなタイトルが迫ってくるようで、たまらない気持ちになります。たまらない映画、将棋って本当に生きるか死ぬかなんだ、負けましたと頭を提げるのは、毎回辛いことなんだと、身を切られるように思います。


DVDを観ているとTPが、もう9時よ!晩ごはんどうする?と言うので、あ、やっぱり食べる?と答えながら、ナスと豚肉を味噌炒めにして丼にします。ひとまずこれで今日という日は終わりにしましょう。明日からまた新しい一週間が始まるし、どうしたら良いのかわからないことも色々あるけれどその全部に、全力で向かい合いたい。