季節はめぐる

RCが元職場の方からいただいたチケットで人生初の「雅叙園」へ。一度は行ってみたかった場所、うれしい!駅を出た瞬間から、おばさまたちが団体で、ドドーッと同じ方向に進んでいるので何も考えずにくっついて行くだけでたどり着くことができます。ワイワイガヤガヤ。

靴を脱いで、有名な「百段階段」を、しずしず、ミシミシと上がります。お部屋に入ると、生花の派手やかさはさておき、床の間の違い棚、障子の桟の細工、天井の日本画、昔のガラスならではの歪み、あらゆるものに目を奪われて、花はさておきみたいな心境になります。



何より、この花展を楽しみに電車に乗ってきている女性たちの、いきいきとしていること、メモまで熱心にとって勉強している先輩たちも。

また階段を降りて。それにしても不思議なこと、この建物の外観が見えないこと。入り口は大きいロビーを通って貝細工をほどこした豪華なエレベーターは、百段階段といくつもの畳の間につながっているけれど、外からは見えないのです。

目黒の、古そうなビルの古そうな喫茶店でランチとコーヒー。積もる話をひらいて。

電車に乗って新宿御苑へ。いつか一緒に来たかった庭、今日は千駄ヶ谷駅から入場です。いつも、色んな場所へのチケットを分けてくれてありがとう。彼女が崖から落ちるような体験をしたときに、その崖の下から見える景色について詳しく教えてくれて良かった、底の底からの景色、でも今日はちょっと違う彼女の本当のタフさ、心の健康さを感じます。いじけても、同情を買おうとしても、不幸自慢も通じない透明な玉を。このところのあれこれをお互いにたっぷりお喋りして、紅葉をたっぷり見て、歩いて。田舎から出てきた山猿同士、生きていていいんだなー、RCは大人で大学生としてレポートを出したり戻されたり、通学したり新たにレポートを出し直したり家計の管理をしたり、これからの生き方を受け取ろうとしたり。


秋の沈むゆく夕日。枯葉の匂い。


京王デパートの地下で回転焼きを買って、小田急線の改札でじゃーねーと手を振って分かれます。共通の友人たちのことを思いながら。初めて行った雅叙園で知った何かがある、電車に乗って行ったことのない場所へ行って初めてわかることもある。それぞれどんな体調であれ、どんな心境であれ、季節はめぐる、秋を感じた一日になりました。明日もがんばろ。何度でも、同じことでつまづいて、何度でも立ち上がろ。


庭訪問回数。門:10分の10、T:10分の8