目が覚めて窓の外を見ると、一面、雪。斜め45度から雪が叩きつけるように降り続けています。ひっ!
ホテルで朝食を食べ、
チェックアウトして7時20分の新庄行き電車に乗ります。駅のホームも雪だらけ!
40分ほどで大石田という駅に到着。TP隊長の計画では今日、銀山温泉というところに行くそうですが、大石田から銀山温泉行きのバスは2時間後、やっちまった!
雪の降る中、大通りをTPと歩き出します。私はフードを深く被って、TPに持参のキャップと、手袋を片方貸して首にもストールを巻いてやります。「どう?全然違う?」「うん、全然違う」うっれしーい!自分の活躍がうれしい。
街中あちこち除雪車が走り回っています。ありがとうございます。
最上川。五月雨をあつめて早し最上川は、今日は雪を集めてドウドウドウと左から右に水量たっぷりと流れています。
これまで、雪が積もっている場所に行ったことは数回だけあるけれどわずか一日で雪が積もってパウダースノーを踏みしめて歩いたことは初めてです。九州っ子は、つららにも感動します。
駅に戻って、まだ銀山温泉行きのバスまで時間があるので、バス代を用意します。こういう透明ポーチは旅行中いくつあっても良い、便利!門、グッジョブ!ふと外に出てみると、寒い駅舎とは別にバス専用の待合室があり、ストーブもあるのでそちらに移動して、ストーブの周りの洗濯バサミ(旅行者が手袋や靴下を干すためらしい)でTPも早速、濡れた靴下を干しています。(雪用のブーツを買ってきたら良かったね、読みが甘かったね)
バスに乗って40分。
銀山温泉に到着します。雰囲氣のある人気の観光地、写真をたくさん撮りたいのに雪まみれ、カメラを取り出すのも冷たくて嫌になるほどの風、ただ背中を丸めて短いけれど充実した温泉街を歩いて往復します。
公衆浴場、白銀の湯へ。500円。隈研吾が設計したという建物は、風が吹き抜けるように隙間があちこちに開いていて、湯に浸かっても浸かっても身体が芯から温まらないので隈研吾を恨みます。
それでも、やっぱり温泉はいい。少しは身体がほかほかしています。そろそろお昼だけれど宿泊客以外でランチができる店は一軒だけ。30分ほど、誰もが雪に打たれながら待ちます。目も開けられないほどの吹雪の中で。
一度店内に入ってしまったら、もう二度と外に出たくない(地ビール)。
トイレに行ったTPがなかなか戻って来ないと思ったら、私たちより先に並んでいてまだ外で並んでいる英語で会話している海外からの旅行者らしきカップルが見えたから、名前を書いて並ぶと教えに行ったそう、英語で話しかけるとあっさり日本語で答えられて「さっき氣づいて、あわてて名前書きました」とはいえ、喜んでもらったそうでこちらまでうれしくなります。
TPは揚げナスの蕎麦。隣の席の20代女性ふたり組はエンドレスで芸能人とユーチューバーの会話。「こないだ芸能人と会った」「え誰だれ!」「名前思い出せない。でも顔がすっごい小さかった」「ねえ、小芝風花ってかわいいと思う?」かわいいと思う。
戻りのバスの時間、少し早めにバス停の小屋で待ちます。狭い小屋で大学生の8人組と一緒「早くバス来てくれー」「ちょっと動かないで、マジ寒いんだけど」「凍える」「少しも寒くないわ」「アナ雪のさー」「あれ何度も観てるよね」「さやかちゃんの」「でも悪い男なんだよね」「生まれてはじめーてー」「ねえ、ちょっとおかしなこと言ってもいい?どこにも出口のない日々が」「とつぜんに変わりそう」にわかでアナ雪劇場が始まって、私も一緒に歌いたいけれど我慢します。この子たちはアナ雪が流行ったときはまだ子どもだったんだろうな。
少しも寒くないどころか氣が遠くなるほど寒く冷えてきたころ、ようやくバスが来ました。来てくれただけでも良かった、この大雪のなかで。
満員バスで戻る道。大石田駅に到着するとTPは、一目散にバス停の待合室に駆け込んでスニーカーを脱いで靴下を干しています。「足がちぎれるかと思った」ブーツ買ってくれば良かったね、、準備不足やったね、、「この待合室があって良かった、助かった」と言うので、お土産で地元の漬物を3つほど買います。TPの足を救ってくれたお礼に。
電車が来て、三度の山形駅まで。ぽかぽか電車で爆睡します。
山形駅の駅ビル。明日買って帰るお土産など目星をつけます。
どなたか存じませんが雪がお帽子になっています。今日の宿泊先まで歩く途中、少しずつ慣れないブーツの足首が殴られるように痛くてたまらなくなってきました。骨が痛いんじゃなく、ブーツのどこかが当たってそれが打撲のような痛み。
古いホテル。チェックイン。本日も2名で6000円くらいらしい。
厚着していた洋服を脱いでジャージに着替えます。
かかとの上の、足首あたりが痛くてたまらない。ブーツを調べてみると、かかとから膝裏に伸びるテープ状の太い補強なのか布地が、足首でカクっと折れてしまうようで、歩くたびに足首を圧迫していることがわかります。「おい!何でそんなことすると!捨てるよ!」ブーツに向かって怒っているとトイレからあわててTPが出てきて驚いています。どれほど頭に来ているかブーツにも教えねば。ブーツとガッツリ喧嘩します。
ベッドに今日買ったお土産を広げてご機嫌。
ホテルのひとにオススメのお店を聞いて、それがちょうどTPが調べていたお店と同じものだから晩ごはんを食べに屋台村へ。ブーツの足首に当たる痛い部分には、パンフレットを三つ折りにして挟んでみたところ、ちっとも痛くない、知恵と工夫にうっとりします。
カウンターで、珍しく日本酒など。
生牡蠣など。TPの頼んだホルモン焼きのホルモンが、あまりにも美味しいものだから店のおじさんに「全部おいしいです、ひとつひとつ。ホルモンも、おいしい」と言うと「でしょう?最高のホルモンが入って、思わず写真撮った」と、米沢牛の新鮮なホルモンを仕入れたときの写真を見せてもらって。
「芋煮、初めて食べました。おいしいんですね」と言うと店のおじさんは「よそだとちょっと違うかもよ、うちだから美味しい」とニヤッと笑って。TPと浮かれるようにホテルに戻ります。ホテルには大浴場と言う名の小浴場があるので、二度も入ってたっぷりと温まります。
倒れるように寝ていると、突然の吐き氣。トイレに駆け込んでゲーッと吐きます。うがいしてまた寝ていると突然の便意、トイレに駆け込むとほぼ水の便がシャーッと出ます。さては…牡蠣かな?いや、牡蠣のせいにしたくない、寒さだな。いや牡蠣かな?もしくは慣れない日本酒?どちらにしても2度も3度も吐いたら、楽になったので安心してまたぐっすり寝ます。