DNA

早起きします。朝ごはんは、冷凍ピザ。「ピザ、食べん?ひとり用かと思ったら、ふたり分やった」とのこと。母、朝から「通帳見よう!」と開いては「年金が入ったし、500円玉貯金の分が増えた、うれしい」とご機嫌。父の生前、母は通帳など見たこともなかったうえ、父がおこづかいをくれない守銭奴だと非難していたけれど、自分で通帳を管理するようになって初めて、光熱費や残りのお金、年金を管理するようになりました。父も天国で、さぞかし大笑いして、やっと自分の苦労がわかったかと大喜びしていることでしょう。

本日は、在宅勤務。

母も、がんばっています。しこたま溜め込んだ物を、コツコツと仕分けしています。

何と!Mちゃんがまた、家に来てくれました!!!捨て癖のついた母が巨大な「ビーズクッションを誰かもらってくれないか」と言うので、Mちゃんにメールで聞いてみたところ、もらってくれることになったのです。Mちゃん、マジありがとう。私が仕事をしている間も、笑い上戸のMちゃんは、母のお喋りの相手をしてくれています。(うれしくて、ありがたくて泣きそう)昼休みの時間、パソコンを閉じて、一緒にごはん(下関のホルモン鍋)を食べます。おいしい。

在宅勤務を進めながらも、ふと、今、母やMちゃんと過ごす時間以上に大事な仕事ってあるのか?と自問自答します。実は、父の最期の看病のときに、在宅勤務していた時間も、後悔をしています。父との時間を優先すべきだったんじゃないか。なので、思い切って、仕事をブロックして1時間、Mちゃんと母と過ごします。たまには、いいでしょう?普段から残業代はまともにもらっていないことも多いんだから!

自分で運転してわざわざビーズクッションを取りに来てくれたMちゃんを見送って、終業時間。最後の1時間は、母が安楽椅子に座る居間で仕事をしてみました。母は、近くに私が居ると安心するらしく、普通にお喋りしてきています。大切な時間だったのに、和室に閉じこもっていてゴメンね、と思います。残る仕事は来週に回して、パソコンを閉じます。母の運転する車で、東京の家に送る荷物の宅配。ヤマトのきれいなお姉さんは「あぁ、いつも送ってらっしゃる娘さんが、帰ってこられたんですか」と言ってくれます。巨大な荷物のほとんどは、母が捨てられないものを私が「ちょうだい」と言って、家に帰ったら捨てるであろうもの。そうすることで母が安心するから。また車で実家に戻って再び、片づけタイム。父は本当に木材が好きだった。あちこちから、母が溜め込んだ荷物の段差を埋める木材が出てきます。

今日が、長い帰省のラストナイトだ。弟一家が気をつかって晩ごはんに誘ってくれました。

TPと帰省したときに、父が連れて行ってくれた「たかのすけ」。父は、私たちに美味しいものを食べさせることだけに熱心だったので「どうや?うまかろうが?」の声が、脳内でこだまします。

チャッキーは、ポテサラを頼んでいます。

母は、馬刺しを頼んでいます。

弟妻のKちゃんは、焼き鳥を頼んでいます。

チャッキーが「つくね10本食べる!」とか言っています。怖っ!

途中で頼んだ鯛のお刺し身も、プリップリで。

Kちゃんが頼んだ、焼き芋最高。

弟が頼んだステーキ、これは絶対に次も頼みたい。父亡き今、この集まりで酒を飲むのは私ひとり。母も弟も、体質的に下戸。「だけん、あんたがお酒飲めるからお父さん、あんたが帰るのを楽しみにしとったんよ」と母。うぅ。そろそろ解散の時。チャッキーが「お会計じゃんけん」と言います。5人で、17,000円。贅沢に刺身も焼き鳥も、写真に撮りきれないほど頼んだのに、安い、安くない?と弟と盛り上がります。じゃんけんの結果、弟妻のKちゃんが負けたけれど、私も1万円支払います。一応、長女なもんで。チャッキーは「このゲームに負けたら、東京に帰れない!」と私にゲームを挑んできます。ちょっと可愛い。さては、お前ひとたらしやな?チャッキーは弟に似ているのかも知れない、そうすると、3回、お嫁さんを取り替えるかも知れない。末恐ろしい。

 

そんなことはさておき、家に帰って最後の片づけ、台所の床に重なるように敷いてある、ウレタンのようなジョイントマット?ジグソーパズルのような発泡スチロールの敷物を、全部はがして、角がぴったりはまるようにハサミでカットして、敷き直します。掃除機をちゃんとかけて。母が適当に買ったものだから、厚さが異なるところの継ぎ目は、ガムテープで貼って、つまづき防止対策をします。「わー、つまづかん。いいじゃん!」と母大喜び。安楽椅子に座っている母が「あっと言う間やったね。お姉ちゃん、明日もう帰るんやね」と言います。そのあまりにも寂しそうな後ろ姿、絶対にこれだけは言うまいと思っていた言葉「お母さんも、だんだん年齢を重ねてきたやん?だけんこれからは、なるべく年1回は帰るね」をついに、口に出してしまします。「ありがとう。迷惑かけるね」とのイジケた回答。あぁ、言っちゃった。少しすると母はもう朝からの片づけで限界、二階で寝ると言います。私はひとり、あと少しだけ、母の食料保管ゾーン(サトウのごはん、パン、レトルト)が投げ入れられたカゴを、奥から取り出しやすいように縦型の箱に整理します。今日はもう、TPとオンライン会議する余裕もない。TPも元気だといいけれど。たっぷり先々週の金曜日から明日までの長い帰省、あっと言う間。弟との別れ際「あいつは支配しようとする」という母に対しての言葉。わかるよー!!と絶賛同意。そう、母はどういうわけか、私と弟を、あの手この手で、自分の思い通りに支配しようとしがち。それも含めて、母のわかりやすい、わがままな、全てを丸出しの生き方が、憎めないうえに、腹を抱えて笑えるのです。これがモンスターの底力、そして、私に確実に引き継がれている、DNAということでしょう。気をつけよう。一緒に行動しながらも、弟と母は、絶賛喧嘩中です。大丈夫、弟の気のすむまで、喧嘩していて。弟だって思うところはいーーぱいあるはずだから。