納骨させない!

目覚まし時計をかけて起きて、夕べの残りなど適当に食べて、TPと一緒に水戸駅まで。特急電車に乗って。TPに、父の納骨のために一緒に来てくれてありがとうと言います。

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水戸駅。これからは父が入るから墓参りも思いが違うだろうなと思うと、寂しくなってきました。私は寂しいとか孤独とか退屈だとかいう感情をほとんど持ったことが無かったのですが、どういうわけかさみしーくなります。

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駅前で一服。弟一家と母とは、弟たちが車で来るからと駐車場で待ち合わせていたのに、勝手に改札に迎えに来ていたらしく20分も遅く出会って何だかなという再会。お互いに軽くイラッとしながらテンション低めで。らしいと言えばらしい。

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まずは昼食という予定だったはずが弟たち、勝手に納豆屋に寄る。何も言わずに。母も弟妻も当然みたいな感じで自宅に納豆なんか郵送しちゃって。私も悔しくなって自宅用の納豆を3✕2ほど買って(持って帰るのはTP)。

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お待ちかねの、そばまさで昼食。何年も前に弟と私が最初に見つけた店で、父や伯父伯母たちとも数回来た店。ほぼ全員がせいろを頼んだところ、母だけがけんちん蕎麦を頼んで、麺が伸びるとか言っています。そりゃそうでしょ?細麺を頼んじゃっているから。私と弟だけが頼んだ海老天、「これまで食べた海老天の中で…」「うまかろ?プリプリしとう」「おいしい。一番おいしい」と姉弟ならではの会話をして。

 

それよりも父の納骨。2ヶ月前に父の戒名など手紙を出し、今日が納骨と伝えていた石屋さんが、何度かけても電話に出ないのでどうしたもんかと言いながらも寺へ、ふと石材店の名前を思い出した瞬間に、その石材屋さんが見えます。「あった!ちょっと停めて」と車を停めてもらって、誰もいない店に入って「すみませーん!」と呼びます。しばらくして石屋さん出てきて、電話がつながらなかったので、今日納骨予定でと伝えてすぐに出発してもらいます。

 

お寺に到着すると、石材屋さんが「お寺さんにひと言ご挨拶された方が」と言います。やっぱり?祖母の納骨の際、葬式も戒名も済ませたと伝えたのに後から葬式代として30万円の請求書が来て伯父が払ったけれど皆が不満だったと聞いていました。約80年、毎年3万円ずつ檀家料を祖母から伯父に引き継いで払っています。でもお経を上げただけで30万円は無いわと皆が言い、私に伯父が寺と石材屋さんの電話番号を言って「電話してくれるか?」と言うから(トラブル処理係)、事前にお寺に電話をしてみました。父が亡くなったことを伝えた瞬間に「亡くなった方のお名前は?命日は何月何日ですか?」ひと言のお悔やみもなく、戒名と卒塔婆のことだけ、いつ納骨かと聞かれたので「祖母のときに行き違ったみたいで」と葬式も戒名も済ませたのに一回のお経で30万円の請求されたことを言いながら今回は納骨だけなのでお布施を包みますのでと伝えると「それはダメだな、檀家さんなんだから。ちなみにお布施はいくら包む予定?」と言うので、呆れ果てて「また電話します」と強引に電話を切ったっけ。

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で、当日。

一応ご挨拶と玄関先で、作務衣の住職にお布施(少額)と、母が用意した地元の手土産を渡して「本日納骨します、よろしくお願いします」と言って墓に向かったところ「ちょっとお経上げないと困るんだわ」住職は強引に本堂に上がらせようとします。うっかり上がりそうになる母に「やめとき!30万円請求されるよ」と母の腕を引っ張って墓に向かいます。石屋さんが一度、お骨を納めてくれます。

 

すると住職、紫色の着物に着替えて登場!「ちょっとあんたたちね」この墓の土地は自分が管理しているんだから、檀家なら私がお経を上げないとお骨は入れさせられないよと言います。「そのお経って30万円ですよね?」そもそも祖母の納骨のときに、こちらが納得していない金額を請求してきたのがおかしい、祖母の分でまかなって今回は納骨させてください。からの、弟も出てきて大喧嘩!住職、石屋さんに「◯◯さん、掘り返して!お骨は入れさせない(住職)」「それってあんまりじゃないですか?仏の道を志す方として、あんまりでしょう(私)」「仏の道って言われちゃあ、それは私の性格だからね!あんたたちみたいなの初めてだよ、檀家なのにお経も上げさせないって(坊主)」「あんた?あんたって言わないでくださいよ(弟)」「じゃあ、いくら払えば納骨できるんですか(母)」「…そうね、前の分(祖母)のときも出してもらったから…20万(住職)」「プッ(私&弟)」ディスカウントあるんか。「20万円お支払すればいいんですか(母)」「もういい、帰ろう。こんなとこに父を預けるのは辞めよう、かえって良かったわ(弟)」「そもそもお寺の運営ってのはね(坊主)」「もういいです、後はこちらが決めるんで(弟)」「だいたい請求金額決まってるのおかしくないですか!(私)」「あんたね、さっきからお金お金ってお金のことばっかり言うけど(坊主)」「そっちが請求額決めてるからでしょうが(私)」、、、修羅場修羅場修羅場!

 

納骨できないなんて。母が飛行機に乗せて持ち運んできたお骨は、また手元に帰ってきて。私はさもありなんだなと笑っていますが、弟は悲しんでいます。弟妻は住職の頭にハエが止まってたから笑いをこらえるのが大変やったと言っています。悲しみと、納めるはずだった父のお骨を抱えて、再び車に乗って。

 

本来なら、喧嘩上手なTPですが遠慮したっぽいな、もしくはこうなることを予測していたのでしょうか?坊主と喧嘩している間、ただ観察していたっけ。「TP来てくれてありがとう、(すまん、私が宿の予約人数に入れてなかったから)これから那須に行ってくるね」と駅でTPを降ろして、弟たちも「お兄さん、来てくれてありがとうございます、こんなことになっちゃってすみません」とか言っちゃって、母は「ごめんね、来てもらったのに」と強引にTPに一万円札を握らせちゃって。

 

TP…きっと水戸を散策して帰るんだろうな。バイバイ、駅で分かれます。

 

父…なぜまた戻ってきた?

 

 

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それぞれが色んな思いを抱えながら、弟は運転を続けます。道の駅へ。あまりにも地元の農産物が安いので、つい豆やら高野豆腐やらあれこれ買っちゃって。

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弟の運転する車で、ぐうぐう眠ったりしながら、那須到着!

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ペニー・レインというパン屋兼レストランで。

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弟一家が前に那須に来たときに、すごく美味しかったというレストランを予約してくれて、本当〜に、美味しい、チーズフォンデュとか、最っ高!(弟たちは東北から福岡に転勤で戻るけれど)いつかTP連れて来よう。絶対に来よう。美味しいったらない!母「私、チーズフォンデュっていうの?初めて食べた、おいしいねー」私「子どもの頃、お母さんチーズフォンデュ一回だけ作ったやん」、弟「そうよ、謎の機械みたいなの買ってきて、1回だけ作ったやない」、母「そうね?へー、全然覚えとらん」

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弟一家が予約してくれた宿にチェックインして、弟一家は隣の部屋で、母とふたり、部屋に入ります。「あーあ、傑作やったね」と母は父のお骨をエコバッグから取り出してポンと荷物と一緒に置くから、せめてもと作り付けのテーブルに置いて。

 

お父さん…、今日は3人で久しぶりにお泊りやね。何でこんなことに?何で納骨できんやったっちゃろうね?坊主と喧嘩してごめん、でもきっとお父さん笑っとろう?母は珍しく弟が怒ったね!とか言ってキャッキャ笑っています、てことは私が坊主と喧嘩するのは想定内みたいな、むしろ喧嘩係みたいな感じってこと?母、いつも弟のことだけ感想言うけど娘の私は感想なしかね?あー、坊主と喧嘩とか最悪。己の性格がいまいましい、あー、何とか納骨できるように交渉できなかったもんか、失敗した!心の底から、そう思いました。