甘栗

定休日。

残りご飯に、適当なものを乗っけて食べます。今日は美容院を予約している日。美容師のUさんに「お母さん、最近どうですか」と尋ねると、みるみるうちに目が赤くなって、顔を覆って、やがてようやく絞り出して「実は、一週間前に、突然亡くなっちゃって」。胸がいっぱいになって、ふたりでしばらく震えるだけ。「急でしたね」「心筋梗塞で、ちょうど休みだったから、近所のひとから連絡あって慌てて駆けつけて。でも最期の顔とか(グスッ)」「潔い、潔よすぎますね(グスッ)。私も父の車椅子とか押したかったなって、今でも思います」「そう!いっぱい車椅子検索してた。でも買わなくてよかった、あは」どうやらUママがパーキンソン病の診断をもらったので、施設探しやら、車椅子探しやらしていたそう。

「まだまだ全然だめ。やっぱり泣いちゃう」「そうですよ、まだ一週間ですもん。Uさん、とうとうみなしごハッチになりましたね」「父が亡くなったときはまだ子供だったから全然だったけど、母はもう、だめ」「そうか。親が亡くなったらおかしくなりますよね」「そうなの、こないだ、早速ドトールでお会計忘れて」「ですよね」「お母さんに、電話してあげて」

私の頭は甘栗のようにカットされて、自由が丘駅へ行きます。夏用の洋服を3枚買って、電車に乗って帰ります。

録画しておいた、ごはんに関する番組を観て、全部白髪になったらこんな髪型にしようかななどと考えたりします。

晩ごはんは、炒めておいた豚肉と、茹でておいた豆もやしで、豚と豆もやしの炒め物です。

母に電話してみます。今日もたっぷり20分の会話。切り終えても、すぐさまメールが来て「やるときはやるオバアです!トイレットペーパーのホルダーを付け替えました!上に乗っているのは、ガチャガチャで取ったものです」とのこと。すごいね!と返信します。