朝、６時に目が覚めてもうひと眠りします。
７時過ぎに、朝食を食べに食堂へ行きます。ＴＰに「ウィンナーの取り過ぎ注意」と口出ししてみたけれど、食いしん坊ＴＰはおかわりのときに、ウィンナー４本、シューマイ４個、ハンバーグ２つを追加で取って来ています。好きなものがいっぱいあって良かったね！
リュックを背負ってチェックアウトし、財布が無いひとは、駅までの通りでたまたま見かけた豊川稲荷の神社に、夕べ、缶ビールを買うためにＴＰに借りたお金のお釣りを、お賽銭として入れて「初めてなのに厚かましいんですけど、もしよかったら財布を戻してください。あ、でももし財布を失ったままの方がわたくしにとって学びになるようでしたら、無理なさらず、受け止めますので」と祈ります。
高崎駅の周辺で検索していたところ、駅の北側の長野堰用水｜高崎観光協会なるものが見つかりました。長い長い歩道を歩いて向かいます。
ＴＰは、お金を貸してくれた。
クレジットカードを止める？とかも聞いてくれた。
でも私は、財布が私のジャージのポケットから勝手に飛び出して行ったことをまだ受け入れられない。ＴＰはＪＲ忘れ物センターに公衆電話から電話してくれたり（０５０で始まるので公衆電話ではかけられなかった）、ノートＰＣを、立ち寄った高崎芸術劇場でＷｉＦｉつないで忘れ物センターからのチャット問い合わせの返事が届いていないか確認してくれたりしていますが、私は、ただ呆然として、心の中で財布に「今、どこにおると？」と話しかけてみて、答えが聞こえないものだから落ち込んだり、だんだんと、財布が勝手に私のポケットから出て行ったんなら、私は新しい財布を買おうとすら考えています。
もう、財布の行方を待つだけの人生は嫌。
そんなことより、本来の目的のレンタカーを借りに行かねば。高崎駅を通り抜けようとするとＴＰが、お忘れ物センターを見つけました。そこで「昨日、湘南新宿ラインで財布を落として、一度は無いって言われたんですけど、青い財布で、小さいから名刺入れって思われているかも知れません」と伝えたところ、名前を聞かれて答えると、同じ名前のパスモが登録されていて、新前橋駅に今、ある、そう教えてくれます。
ヒャッホー！！
レンタカーで３０分ほど、新前橋駅とやらに向かって、無事に財布を受け取ります。どなたが拾ってくれたか尋ねると、車掌さんらしい。本当にありがとうございます。
車に乗って歌など歌っていたらＴＰが「良かったね、やっぱり強がっとったちゃね、平気平気みたいに言いよったけど、あの喜びようったら」とか言って笑っています。
財布が無い人生を体験した後で、財布がある人生となった身としては、すべてが輝いて見えます。
元々の旅行の目的地、中之条町で、台湾料理屋さんに入ります。春雨、おいしい！
ＴＰの唐揚げ定食、大盛り！
財布がある人生って、こんなに輝いている日々だったんだ。
中之条駅から見える病院、死んだばーちゃんを思い出したりします。
ＴＰがそもそも行きたいと言っていた、伊参スタジオ公園へ。二の金がロケットで飛んでいる。
へー、いいところやない！
管理人さんの部屋もあって。
眠る男のロケ地を記念したスペース。
いいところやったね、そう言いながら、レンタカーで道の駅に立ち寄ります。
財布が戻って来たので、ポップコーンになるとうもろこし（２００円）も、大豆（２７０円）も、かんぴょう（２５０円）も買うことができます。
駅の観光協会でおすすめされた雑貨屋さん、つむじに立ち寄って足湯も堪能できます。
今日の宿に向かう途中のスーパーに立ち寄って、缶ビールも買うことができます。
小さいダムに立ち寄って、感動することもできます。
今日の宿泊地は、四万温泉。すぐ真裏を流れる川のゴーッゴーッという音がすさまじく、大興奮します。
水もきれい。
温泉で汗を流して、晩ごはんをいただきます。ＴＰが珍しく厚揚げの煮物をパクっと食べて、うまっと感激しています。確かに、豆腐部分がむっちりとしていて濃厚です。
お多福豆だって皮ごとしっとり柔らかです。
最高やね！散歩行こう！
財布さえあれば、人生がバラ色だ。
何だここは？急に観光客がいっぱい。（どうやら千と千尋の参考になったかも知れない場所みたいな感じの）
ドドドドーッドーッドーッ、ドドドッドドドドドドドドーの音だけ。
道の駅で買ったものを広げて眺めるこの時間。うっとり。財布が戻ってきて本当によかった、もう一生、財布を落としたくない。ポケットをもっと深くするか、ポケットの入口にすべてファスナーと付けるか、それとも首から下げるか、それとも・・・財布を二度となくさない人生をどうすれば送ることができるか、そのことを考えながら、清潔なお布団でゴロゴロ、明日は早起きして、もう一度温泉にも浸かって、この四万温泉を堪能したい！夢がいっぱいに広がります。
