花見2 皇居から新宿へ

monna88882016-04-02

お花見に目覚めたTPから、千鳥が淵のボートに乗りに行こうと叩き起こされました。眠たい目をこすって出発します。どうやって九段下へ行くか話していたところ、確か道路を渡ったとこからバスが出ていたはず!そう思い出してバス停へ行ってみると、九段下行きのバスが5分後に到着です。門、大活躍。

バスの中からどこを見渡しても桜並木。うっとりと30分ほどのバス旅を経て九段下に到着してみると、芋の子を洗うような人出、千鳥が淵を歩くだけでもゾロゾロと大行列、ボートは何と3時間待ちとのこと。列から離れて戦没者墓苑というところに入ってみます。アジアの島々で爆弾や拳銃やらで亡くなって一緒くたになったお骨を納めているのでしょうか。遺族へ届けることができなかったお骨を安置しているそう。一歩外へ出れば桜が満開で。一輪100円の献花をお供えして、手を合わせます。またお堀端の桜並木の行列に戻り、内堀の方の桜並木をめぐる流れに乗ってみます。皇居と隣接した北の丸公園では、今だけ開放されている場所があるとのこと、皇居を半周ほど東京駅の方へ向かってひたすらに歩き、簡単な荷物検査を受けて正面から入場。私は手ぶらなので、別のルートに案内されました。VIP氣分。

皇居のお堀の中に入ってみると、あれほど周りにある高層ビル群が見えなくなって、ちょうど上手い具合に、お堀上にある樹木で隠れていることがわかりました。東京の、日本の中心地。ポンッとまた内堀通りに放り出されて再び北の丸公園へ。天守閣跡に上って、公園でお花見をしている人たちをゆっくりと眺めます。誰も彼も幸せそうな顔。

九段下まで抜けて、靖国神社の屋台でイカ焼きを買いました。お待たせ!とイカを齧りながら待っていてくれたTPのところへ行ってみると「今、あそこのオバハンから『写真撮るからしゃがんで』って言われた」と怒ったような悲しいような顔をしています。何だって!?どこのどいつだ!と教えてもらって顔を見ると、女性4人で桜の真下の屋台のテーブルを陣取っている中のひとり、すこぶる意地悪そうな顔をした人でした。まるでこちらが悪いかのような表情だったし、突然のことでどう反応していいかわからなかったと言うTPに、私は「うっせぇオバハン」だけでいいっちゃない?などとイカを齧りながら答えます。わかるわ、突然、不幸が降ってくるとそんな顔になるし、何も言い返せんもんね。

九段下から飯田橋まで。こちらでもボートに乗ってお花見をしている人たちがいます。こっちでボートに乗ろう、ボート乗り場は確かこっちよ!そう決めつけて歩き出したものの、ボート乗り場は見つからずいつの間にか市谷まで歩いていました。釣り堀があるので、入場してみました。

人生初の釣り堀、竿を選んで、ビール箱に座って、針に練り餌をつけて、真っ黒な釣り堀に向かって釣り糸を放ちます。ぽちゃん。軽く、ツンツンとしたと思って竿を引き上げると、餌が無くなっていました。あら?と思って今度は大きめに餌をつけて放ちます。ツンツン、引き上げる、魚はいない、餌もない。ジーッと竿を垂れていたお隣りのカップルの大人しそうな女性が2匹釣り上げました。お向かいのいい加減な感じの青年が2匹。端っこの大騒ぎしているグループは次々とフナを釣り上げています。だんだんと燃えてきて、ビール箱から立ち上がって、釣り堀の淵を流すかのように歩いて竿をすべらせてみたり、じーっと待ってみたりしても一向にかかる氣配がありません。

ふと見ると、TPは釣り堀の吸水口のところ、見るからにフナがウジャウジャと固まっている隅っこに竿を垂れています。糸を投げ込んでは引き上げ、投げ込んでは引き上げを繰り返しているうちに「かかった!」と言うので網を持って駆けつけると、可哀想に脇腹に針が食い込んだフナが、大暴れしながら網の中でのたうち回っています。懸命に針を取ろうとするTP、ものすごいへっぴり腰、ごめんねーと言いながら必死に針を抜こうとしているTPを、手伝いもせずにまた私は竿を垂れます。

結局、私は最後まで一匹も釣れませんでした。TPは、一匹釣れただけでも良かったね、などと言うので、あれは釣れたんじゃない、引っかったんだなどとお喋りしているうちに四谷の駅。てくてく歩いて新宿御苑前の駅。

レトロ喫茶店でお茶をして。足がパンパン。もう新宿は目の前。日も暮れて。今日は久しぶりの飲み会があるTPと新宿で別れて、パンパンの足で家まで歩いて帰ってきました。結局、九段下あたりを何周もして、丸ノ内から新宿へ、そして家まで歩いて帰ってくることができた、こんなに歩けるとは夢にも思っていなかった、もしかすると東京23区なら歩いて縦断、横断できるんじゃないか、そう夢が広がった一日。