号泣


TPと早起きして、日本橋まで出かけます。今日は、友人のS君が作った映画を観にでかけるのです。TPが「これ、Sが作った映画やけん観に行こうね」そう言ってくれたとき「えっ!これ!?S君が作ったと!?」と驚くたびに「門ちゃん、前に言ったよ、そのときも驚いとったよ」と言われても、こんなに宣伝されている映画をS君が作っただなんて信じられなかったのでしょうか、驚きすぎて現実感がなかったのでしょうか、本当に驚いたのです。

ムビチケ、を買って、映画館で提示します。


お客さんがいっぱい、長い長い予告を経て、映画は始まります。ゆっくりと、焦らずにしっかりとした構図で映画は進みます。台詞がちょっと古いようだけれど、沢尻エリカは「別に・・・」とは言わずに、ちゃんと台詞を言ってくれています。松坂桃李は右目を髪の毛で隠しています。沢尻エリカは「新人!」と若手の相棒に檄を飛ばしています。赤い眼玉を見ると、ぐーん!とCGの世界、万華鏡に入り込みます。ハートフルホラー、いやハートフルサスペンス?ひとが呪われて殺されるのに、ちゃんと法則があるので引き込まれます。何より、ちょっと笑えるところや、ゾクッとするところ、清潔な登場人物や黒い登場人物、色んなひとたちが色んな思いを抱えて生きている世界、思いがけない対立。S君はどうして登場人物のバックボーンを表現しないんだろう?ひとの過去に興味が無いんだろうか?それにしても、こんなにプロな感じの堂々さで映画を撮ることができるだなんて、大きい映画の方が向いてるやん!今度もしバッタリ会ったらそう言おう、全然退屈せずに満足してエンドロール、むっちゃ格好いい声の曲が流れて、たくさんの名前がくるくると流れて行くのを見ていたら突然、涙がブワッっと出てきて、止まらなくなりました。S君の名前を見届けて明るくなったらTPが私の顔を見て驚いても、涙が。どうかこれからS君が、こんな感じの映画をどんどん作って行けますように。こんなに大きい映画なのに、駄作になってなくて良かった〜!という涙。思わず秋葉原まで歩きます。


私があんまり感激しているからかTPは映画の感想を言いづらそうだったけれど、遅いランチの席に座るとあれこれと感想を喋り始めています。そうそう!とかそうかいな?などとおしゃべりは尽きません。あー、嬉しかった。私も明日からがんばるわ。S君にバッタリ会ったら、面白かったよ〜!と言おう、そう思いました。