朝のひとり劇場

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朝風呂にたっぷり浸かって、ホテルを散策します。「ちょっとちょっとRC、ホテルの裏に三峯神社の分院があるばい!」ひとり心の中で興奮しながら、朝一番のお参り。神さま、先日本院の方に伺いました。こちらの分院でもどうぞよろしく、良きようにおみちびきください。

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朝ごはんはビュッフェです。おつとめさきの誰かと会うかな?と思っていたけれど誰とも会わず食べ終えます。食後のコーヒーを飲もうと顔を上げると、別の部屋に期間は短かったけれど前の上司の姿が見えます。よしここは積極的に、コーヒーでも持って話しかけに行こう。並んでコーヒーを取っていると、10センチほどのガラスの隙間から目が合ってしまいました。手を振りあって挨拶します。前の上司も立ち上がってコーヒーを取りにきたので「見つかっちゃいました、コーヒー持って行こうと思ってたんですけど」と言うと「いや、大丈夫」とのこと。あれ?拒否られた?じゃ、また後で、そう言ってレストランを出て、じわっと傷つきます。私がウザイのかな。外で一服しながら、でもこんなことで傷ついていたって仕方ない。もう一度脳内で会話を再生します。

ん?

部屋に戻って、前の上司にチャットします。『先ほどの立ち去り際の会話「コーヒー持って(お喋りしに)行こう」のつもりでしたが「コーヒー持って(見つからないうちに)行こう」と勘違いさせてしまっていたらスミマセン』と。すると「勘違いしてました!」との即レス。あ〜ヨカッタと胸をなでおろします。「ホッとしました、拒否られてなくてヨカッタです」と返すと「拒否りませんよ〜」とまた返事がきたので、☺を返しておしまい。

さ、今日は早起きしたから研修開始まで2時間もある。グーグルマップを開くと、近くに池みたいなのが見えます。そこを散策しよう。

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何じゃこりゃ。葉っぱはキャベツそっくりだけど、玉になっていない。しばらく歩くと、玉になりかけのキャベツ、またしばらく歩くとどこからどう見てもすっかりキャベツと段階の違うキャベツが畑いっぱいに育っています。

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わ、何じゃこりゃ。今度はキャベツの中から菜の花みたいな花が咲いている。これがキャベツの花なんだ。遠くにはキャベツを収穫している農家の方も見えて。私は、この足でキャベツの一生を見た。そう思いました。

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「小網代の森」の看板を目印に、グーグルマップで見た池らしき場所へ。

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あれ?本格的。

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本格的過ぎる。どうしよう、まだこの森に入ってから誰とも出会っていない。20分くらいは歩き続けているんじゃないだろうか、もしかしたら30分は経っているかもしれない。こんなところで、歩道から転げ落ちて頭でも打ってしまったら、職場のおじさんたちは携帯も持っていない私を探すに探せないだろうと思うと、少し背筋が寒くなります。えーん。出口はどこ〜

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2キロほどは歩いたでしょうか、ようやく森を抜けることができました。出たところは港・・・

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港の前に、開いているんだか閉まっているんだかわからないようなカフェがありました。「開店中」と札が下がっているので、薄暗い網戸に向かって「アイスコーヒーください」と言うと、中の男性がビクッとしてガバっと立ち上がる音がします。「はい」と冷蔵庫からペットボトルのコーヒーをカップに移す様子が網戸越しに見えて「はい、おまちどう。氣をつけて帰ってね」・・・タメ口、そう思いながらお金を払って外のテラスに座ってコーヒーを飲みます。喉、乾いていたんだな。

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ようやくすれ違ったひとに「すみません、マホロバマインズに戻るにはどうしたらいいでしょう」と尋ねると「バスでいいんでしょ?その坂を上って左に行ったらバス停があるよ」と教わって、来たバスに乗ります。運転手さんに「マホロバマインズに一番近いバス停はどこですか」と尋ねると、「なんですか?」同じ言葉を繰り返すと「なんですか?」もう一度「マホロバマインズというホテル、温泉のある」と言うと「何とか坂一丁目か、何とか郵便局が一番近いです」と言うので安心して乗っていても、肝心の坂も郵便局も出てきません。バスはとうとう終点のよくわからない駅に到着してしまいました。半べそで駅前のタクシーに乗ります。わずか5分ほどで到着、研修開始の2分前。部屋のチェックアウトもしなきゃ。廊下ですれ違った元上司に「すみません、ちょっと遅れます、でも急ぎます」と言って部屋に駆け込んで、脱ぎ散らかしたパジャマやら靴下、充電していたノートパソコンなどをまとめてリュックに放り込んで走って研修部屋に向かいます。どうやら若いひとたちは、朝の5時までトランプ(きっと何某かの金銭が動いたと思われる)していたそう。皆んな目を腫らしています。そんなことより研修2日め。よいリーダーになるには、みたいなこと。メモを取りながら参加します。若いひとたちは時々頭がガクッと落ちて、また持ち上げたりしています。午前中いっぱい、意見を出し合ったり質問したりし合います。

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昼ごはん。食べても食べても丼の底から麺が湧いて出るようなソバを食べて。どういうわけか私は、午前中が終わったら研修が終わりだと思いこんでいました。部屋に戻ってパソコンを開いて「14時9分の電車、間に合いますかね」とか言うとみんな笑っています。パソコンを閉じてリュックに入れて「お先に」と言うか言わないかのとき、研修のリーダーが「さ、始めましょうか」と言うので「へっ?今何て言いました?」と聞くと「始めましょうかって言いました」と言うので「何をですか」「・・・さっき言った、◯◯の研修です」「はっ、すっかり忘れていました!」皆さんから、どーっと笑ってもらえただけでも地獄で仏。慌てて席に着きます。

1時間後、今度こそ本当に本当の研修の終わり。私以外のひとたちは残って仕事をするそう。他のひとたちのことを理解できるようになったことが収穫、別の部署のおじさんも「これからはもっと横のつながりを大事にしたい」と言うので、大きく頷きます。

帰りの電車、ぐうぐう眠って頭を窓ガラスにしこたまぶつけながら帰ります。乗り換えの駅で、崎陽軒のシウマイをたっぷり買って、いつものアパートに戻って、ひと休み。仕事から帰ってきたTPが「あっ、帰っとった!」と顔を見て喜んでくれるのでイヒヒと笑います。研修どうやった?と言うので「自己紹介から始まってさ」と話し始めるとTPはだんだん上の空になって、テレビの野球中継に夢中になって行ったので、そっと話しを終えます。明日は代休です。