女が階段を上るとき

夜更かししたときにはメダルを取れなくて、寝過ごしたらメダルが取れている日々。私が観ない方がいいのかも知れない、そう諦めて地団駄を踏んで、悔しがっている五輪月間です。

夕方、Kさんと本郷の純喫茶で待ち合わせをしました。と言うのも、私が今年の梅が安かった時期に、Kさんちの梅干しの漬け方を教えてもらいたくてメールしてたところ、それならと貴重な梅干しを分けてくれることになったからです。

喫茶店、麦へ。

駅を出て、お店の看板を見つけた瞬間から、キャッとなります。名曲喫茶、階段を降りて、
お茶のお稽古を終えたKさんは、シャリッとした夏の着物、浴衣で待ってくれていました。帯の柄も、手提げの竹籠も、胸元にしのばせた財布の膨らみも素敵、私も着物を着たいと強く思います。それより何より、たっぷりのお喋り。お喋りがたくさん胸の中にたまっていたので、たくさん聞いてもらって、たくさん聞いて、笑います。


私は祖母がもう死にかけているけれど、Kさんが旅先でたまたま義父の最期を知って駆けつけることになって、そのままお葬式になったときに、喪服を買い替えていなくて本当に良かった、紳士服のアオヤマとかハルヤマとか、とにかく紳士服屋に行って喪服を買ったと聞いてから、絶対に喪服は買うまいと思っていることなどもお喋り。


いい喫茶店を教えてもらった、他の席に運ばれるサンドイッチも、プリンアラモードみたいなものも、全部美味しそう。お店の人も無駄な愛想がなくて、お客さんは誰もが長居をして、クラシック音楽は薄く濃く、小さく大きく流れ続けています。また行きたい。



茶店を出るときに、その浴衣姿をもう一度見たくて、Kさんにお願いして後ろ姿を写真に撮りました。ヒャッ、女が階段を上るとき。みたい!
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直前に、この頃、自分たちの映った写真が嫌ね、腕が太いとかお尻が大きいとかお喋りしていたのに、やっぱり女性の浴衣姿はキレイで、嫌ねと言ったばかりだったのに、直後に後ろ姿を写真に撮らせてもらいます。いつだって、女が階段を上るとき、またひとつ違う扉が開くのでしょう。