シーサー箸置きと山内マリコ

目覚まし時計で目を覚まします。熟睡できた。TPは早朝から散歩へ行ってあちこち見て回ったそう。

食堂で朝ごはんを食べて、フェリー乗り場へ。(チェックアウトは何と8時45分!次のフェリー到着までお掃除する時間が必要だからだそうです)1時間ほど時間があるので、港から見える場所にあった休憩スペースに行きます。この島の名産の、キビが干されています。お土産に買って帰ろう。屋根とベンチだけのスペースだけれど、風がとても心地良い。テトラポットの隙間には、今はアメリカ軍の射撃訓練場となっている、ちゅらさんのオープニング映像になったという島が見えます。波の音だけ。のどか。

久米島から寄港したフェリーに乗り込んで、また雑魚寝部屋の雑魚寝スペースを確保してグウグウ。どれだけ眠れるんだろう。


那覇へ到着して、その場でMr.Kinjoに電話したところ何と、まさかの、那覇市内全8店舗、全て満室とのこと。えーん。明日の前島店だけを確保して(一部屋3800円)、今晩の宿探しの旅へ。暑い暑い暑い!食堂で昼ごはんを食べて、いくつものホテルで満室お断りされて何とか、東横インに予約をします。リュックを預けてやちむん通りへ、小皿を買って、国際通りへ。暑い暑い暑い暑い。今日はお土産を買っておきましょう。あるお店の前で、TPが「門ちゃん、逃◯恥にでてきた箸置きってよ」と教えてくれたものは、本当にドラマに出てきたシーサーの箸置きでした。もう何度も何度も何度も繰り返し繰り返し繰り返し見ているドラマで、わかった!焼いたキスです、ゴホゴホッゴホッのシーンに出てきた箸置きだ!と喜んで店に入ります。シーサーも狛犬と同じく「あ、うん」しています。我が家用には白いシーサーの「あ」と「うん」を買って、福岡のMちゃんに、みくりさんと同じ緑色の「うん」を買います。「あ」の方は、いつかMちゃんが沖縄を旅行することがあったらそのときに買うのをお楽しみとして残して。ちなみに平匡さんの箸置きは青い「あ」だそう。店番の青年(柄本佑似)に「このシーサーって、そもそもどなたが作ったものなんですか?」と尋ねると、自分とか、ここの3人で作っているんですよと教えてくれます。そうだったんですか!(パッチもんだと疑っていたので)ここで作られたものがドラマで使われていたんですね、嬉しい、そう言うと「そうなんです、でも短いシーンだったのによくわかりましたね」はい、ドラマを見ていたときから、何て可愛いシーサーだろうって思ってて、たまたま通りがかって。このシーサーはここで作っているけれど、焼き場はやちむん通りです。えっ、さっき通りました、それでお皿を買いました。どんなお皿ですか?(バリバリと買った皿の包みを開けて見せる)これ、鶏の柄で、このサイズで高台があるのってなかなかなくて。可愛いですねー、どなたが作ったんですか?店の人に聞いたら、ティーダー西川さん?とか何とか。ティーダーは沖縄の方言で太陽という意味です、自分はシトシトポッチャン(みたいな名前だった)という作者のうつわが好きで。

焼き物にまつわる会話を短い間に交わせたことに、心の底から嬉しくなります。あー、いい買い物ができて嬉しい。店を出てから何度もTPに「Mちゃん、喜んでくれるかいな」「そりゃー喜ぶよー」しばらく歩いてまた「Mちゃん、喜んでくれるかいな」「喜んでくれるよー」何とも発展のない会話だけれど、それほどこの箸置きに出会ったことが嬉しくてならないのです。


ようやくチェックインして、やちむん通りで買ってきた小皿と、国際通り脇の店で買ったシーサー箸置きと、ハテの浜で拾った箸置きにするサンゴを小机に並べてうっとりとします。何てすてきなんだろう。「Mちゃん、喜んでくれるかいな」「そりゃ喜んでくれるよ」「そうよねー」うっとり。

ホテルで休憩して、近所の居酒屋で晩ごはん。中◯彬オススメの店らしい。さすが!中尾◯オススメの居酒屋、どれもこれも、どれもこれも絶品、特にテビチがトロットロで全身がとろけるよう。こんなに美味しいものだらけの居酒屋が近所にあったら、とろけてなくなってしまいそう。大満足でホテルに戻ります。


やっぱり夜寝るのがもったいない。今日は途中で寄った本屋で買った、山内マリコの文庫を読みながらゆっくりしよう。そう思っていたのに、あまりの面白さ、言葉選びの集中力に打たれて、あっと言う間に一冊読んでしまいました。なので帰り道にもう2冊買い足します。

どうしてこれまで山内マリコをスルーして生きて来ていたんだろう、やばいやばい、あちらこちらの言葉遣いを、メモしたくなるほど斬新で(というより恥ずかしいけれどキャッチーって感じ)、脳内のツボをグイグイ押されて、吹き出して笑ったり、同時にやっぱりどうしてこれまで引っかからなかったんだろうと不思議に思ったり、全部の小説を読もうと思ったりしながら、2冊めを読み始めて、ウトウトしたのでそのまま眠ることにしました。

眠るのがもったいないな、沖縄だって、那覇だって。可愛い箸置きと小皿もゲットできたし、明日は最終日で悲しいけど悲しくない、いつもの古いアパートに戻ったらまたおしごとを一所懸命がんばろう、コツコツと伸び伸びと生きよう、もっと心を広げよう、そんなことを思いながら、ぐーっと深いところまで眠りに落ちました。