走った

仕事へ行くTPを送りがてら、ほぼ一年ぶりにマラソン用のブラ、マラソン用の短パン、マラソン用のレギンス、マラソン用のキャップ、マラソン用のスニーカーを身に着けて、TPは膝から崩れ落ちそうに笑っていますが氣にしない、送って行った後で、練習のために走るのです。だって後、一週間しかないから!

まず、1キロ先の公園まで、ホッホッと走ります。その時点で限界。そこから、一周一キロの公園を「絶対に3周する」と決めて、走り出します。キタキタ、苦しいったらない、いつだって歩き出したい。500メートルまでが一番苦しい。そこからペースを落としたり、わざと上げたりしているうちに、マゾヒズムが出てきて2周めを走る頃には自分の吐く息と吸う息の音しかしない、マラソンコースの落ち葉しか見えない、2キロ走ったところでゾーンに入ります。これこれ、どこまでも走れる、あたし走っている!

途端に、足が他人の太もものように、重たくて死体を引きずっているかのような重たさ、やばい、もう走れない。そしてあえて、ペースを上げてみたり、落としてみたりしていると、3周走っていました。反対側の出口までさらに500メートル走って、最初から合計したら4.5キロ走っています。これでも元陸上部。中高生の頃はいつも学年で2位でした。1位じゃないのが良いところ。陸上部なのに、悲しかったけれど、どう思い返しても努力したことがないので、当たり前でしょう。もともとは、子どもの頃いつも父が、駐車場から家までの距離を弟と競争しろ、「走れ!」と言われて競争させられ続けていたことで足が速くなっていただけのこと。走ることに何の思い入れも無かったのです。

陸上部に入りたくもなく、文化系の部活を見学して、そのマニアックぶりについて行けずに当時の友人に誘われて入った部活。中距離とリレーで県大会に出たりしました。過去の栄光でも何でもなく、嫌々でした。それが今、ついうっかり、職場の同僚が今年も誘ってくれたマラソン大会、10キロについ今年も参加するとこの口が言ってしまったものだから、残り一週間しかないのに、ずっしりと重たいこの肉体を引きずるように走ったのです。4.5キロ走ることができたのは快挙、歩かなかった。根性だけで走りきった。


汗だくで家に帰って、休憩して、歯医者2回め。歯磨き指導はとても丁寧で、パソコン画面のアニメ動画を見ながら、そうか、歯を立体的に磨くのが大切だ、でもよく磨けていますよと誉めてもらって安心して、これからはもっと歯を優しく磨こうと心で誓います。


案の定、家に帰ったらお昼寝、氣づけば夜でした。

TPも仕事から帰ってきたので、晩ごはんは春雨煮です。春雨ってどうしてこんなにおいしいんだろう。昆布とかつおの出汁たっぷり煮含めた春雨は、いくらでもお腹の中に入って行きます。見栄えは良くないけれど。付け合せは買ったキムチと、生玉ねぎとサラミのサラダ。とにかく今日私は走った、走り抜いた。4.5キロ走った。足はまだ死体のように重たいけれど。エライ、あたしエライ。門、エライ。