どんどん小さくなる

キュウリの漬物が濁っていたので「腐った!」と捨てようとしたところ、ふと昨日までポリポリ食べていたので冷蔵庫でひと晩で腐るはずないと思い返して、あっ、芥子漬けだったんだと思い出します。雑誌クロワッサンで見た作り方、粉芥子1:塩2:三温糖7の割合で混ぜたもの。そのおいしいこと。がしかし、粉芥子1の1が大さじ1なのか小さじ1なのか書いてありません。何となくその中間で混ぜてキュウリを7本ほど漬けて、ポリポリと食べ続けてもう一週間ほど経ちます。おいしい。

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昼ごはんを食べに新宿へ。暑くて、自分たちが何を食べたいかわからないまま、熱波の中、街を放浪します。氣が遠くなったのでデパートのレストラン街へ。ベトナムフォーの店で、人出少なめの店内を見渡しながら食べます。涼しいし、蓮の葉茶もおいしいし、ゆっくりとおしゃべり。昨日、神宮行かんで良かったね、すごい人出やったらしいねとか、子どもの頃のこととか、私は家の中のものがようやく氣に入ったもので揃ったけん物欲がほとんどなくなって本当に私エライわとか好き勝手喋ります。TPがふと「門、幸せそうやね」と言うので「そう?そう見えるならうれしいわ」と答えます。

紀伊國屋書店へ。ぼくのお父さんを買いたかったのです。TPが初め「モンスナックでカレーとかは?」と言うので「地下の食堂街、改装中よ。工事用の青いマットが敷いてあるだけ」と教えていたので地下を通るとき「本当や」とTPが言っています。TPは旅行本コーナーに行きたいと言うのでつきあいます。あれこれ立ち読みして、良さげな本を見つけてうれしくなります。

「ちょいちょい!池袋から浅草に行けるってよ!!」と興奮して、買います。本を2冊買って充実した散歩だった。家に戻って昼寝。

シャワーを浴びてDVD。びっくりするほど私は佐々木を最初から好きで、主人公と同じように佐々木のことを思い出すと胸がきゅんとするほどに、佐々木、がんばれと心で、何度かつい声に出して応援しながら観ます。ところどころで泣きます。

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続けて、中国出身の女性監督が撮った自伝的な映画を観ます。何て的確な、観たことあるようで観たこと無い画角、セリフ、主人公のいわゆる美人じゃないはずなのにディズニーアニメのように美しい顔と歩き姿、声に、心の底から「好きだ、この映画」と思います。映画が終わると、ヒックヒックと引きつけて泣いていました。泣きたかったのかも知れない。それにしても、素っ晴らしい映画、中国という国を好きになります。

 

夜、大家さんが家賃を取りに来ました。「すみません、遅くなっちゃって」と、このところ3ヶ月とか長い時で5ヶ月家賃を取りにいらっしゃらなかったりとタイミングがまちまちです。大家さんはこちらに引っ越してきたときはまだ「おじさん」という感じでしたが今ではすっかり「おじいさん」になっていて、どんどん小さくなって行きます。今日はもう最初に比べたら3分の2になってしまっていました。次会ったら、半分くらいになっちゃうんじゃいかしら。大家のおじいさんが小さくなって消えてしまったらこのアパートはきっと取り壊しになるのかしら。考えても仕方ないので考えないでおきます。