ああよく寝た。身体のどこも違和感がなく、肩こりも疲労も無いだけではなく、空氣もおいしいし目もよく見える。朝の６時。昨日、街歩きをしたまま、洋服のまんま１２時間も眠ってしまったんだ。驚きません。ＴＰもよく寝たーと言いながら起きています。こんなによく眠れてしまうと勿体ないとすら思いません。窓を開けると、雨が降っています。
頭も身体も汗じみてベトベトするのでシャワーを浴びて、昨日の昼に洗濯しておいて乾いた洋服に着替えます。もう、洗濯する必要はありません。だって今日の夜は、機内泊だから。着ていた洋服やパジャマは、洗わずにリュックに畳んで入れるだけ。備え付けのドライヤーで髪を乾かしてアヴェダのパドルブラシでたっぷりとブラッシングをします。
ベランダで一服しながら、ゴミ収集の様子を眺めます。
日中は土産物屋でにぎやかな通りを見下ろします。身支度を整えて、リュックを宿に預けて、傘をさして、最後のアテネ、いえアッセン散策です。
何だかぼーっとしたまま、フラフラと入ったカフェ（Oasis Cafe ←検索してビックリ、ぼったくりとか書いてある！）で頼んだサンドイッチ、お会計で目が覚めました。コーヒー２杯をプラスして３６ユーロ！メニューを見ていたはずなのに、紙のテーブルクロスのタヴェルナとは違い、メニューでは１０ユーロ未満だったサンドイッチが１２と１３ユーロになっています（あらためて見たレシートの横には消費税的な%が追加されていて、謎の４ユーロも追加されている！）。初日のサントリーニ島の、一軒だけ空いていたレストランの晩ごはんに続いて高い食事代になりました。（誰か聞いてください！・・・物価の安いギリシャで、ひとり２千円の朝食ですよー！）
（明らかに失敗したね）（日本でも食べられるサンドイッチを頼むなんて、これは失敗として記憶しておこうね）そんなことをお喋りしながらたどり着いたパナティナイコスタジアム。ひと目見た瞬間に、朝食が高くついた失敗なんてポンっと弾けて霧散してしまいました。
何て、美しいんだろう。入場料ひとり５ユーロを払って入ります。（入り口横の売店でコーヒーの値段を聞くと２．４ユーロとのこと。後で買おう。買って、朝のコーヒー一杯５．５ユーロの元を取ろう）雨も止み、耳に当てて日本語で説明を聞ける装置も無料で借りられて、その日本語の声の上品さと雨上がりの景色に胸を打たれます。
すでに当時、排水溝も作られてあったそう。
階段は恐ろしく狭いけれど。オーディオガイドを聞きながら、ゆっくりと古代のスタジアムを味わいます。ＴＰが「えっ、これ全部大理石って！」と言うので「・・・じゃあ、今まで何と思いよったと？」と聞き返したり。
一周すると、パルテノン神殿が！アテネは、写真に収まりきれない景色です。もし今すぐ消えてしまいたいひとがいたら、借金してでもアテネに行ってみて、そう言いたい景色（アレハンブラの宮殿に続き）。
どこの国のひとたちかはわからなかったけれど、おそらくギリシャのひとたち？運動会をしています。
その盛り上がり方たるや、勝っても負けても円陣組んで大喝采です。
健闘を称え合っています。
形がいいな。
何てことない道を歩くのが、私は好きです。売店で買ったホットコーヒー（ブラックコーヒーは、アメリカーノと注文すると出てきます）を飲みながら。
昨日、時間切れで入ることができなかったゼウス神殿へ。
大理石の柱は、だるま落としのように倒れてしまっています。逆に他の柱は、円柱の石を重ねているだけで良く立っているな、とか思います。
シンタグマ広場へ。憲兵さんたちの交代式が見られます。
渋滞。
アテネ、じゃないアッセン中にあるオレンジの街路樹、実を拾って食べているひとはいないけれど、拾ってみようか止めようかずっと迷って拾わずにおきます。
ガイドブックで見つけたスーパーで職場へのお土産を買って、
赤いバケツも買って、郵便局で切手を買って（Japanまでと言うと一枚０．８ユーロとのこと、本当に？届くかな？）。
昨日、行こうとしていたレストランで、一日遅れのＴＰ誕生会ランチです。
バルバディモス・シンタグマ。前菜はお通しのように出されたトマトサラダ（その美味しいこと！）、豆と鶏肉のペースト（美味しい！）、タラのフライ（美味しいったらない！）、ラムの焼いたもの（美味しい美味しい美味しい！）。ふと、これまでこの国で何度も言われていた「カリメーラ」という言葉をガイドブックで見てみると、午前中の挨拶とあります。もっと使えば良かった。午後はカリステーラと変わるそう。奥の方の席で、フランス人一家がレシートを見せて店員を呼びつけています。どうやら間違っていないのにイチャモン？をつけている様子、彼らのテーブルには山ほど注文した料理の皿の数々とワインのボトル、生ビールのグラスが所狭しと置かれています。お会計が間違っていないと店員さんは一所懸命にメニューと比べて、これがこれ、これがこれと説明しています。
ウェイターさんに、（これまで食べたことないほどのプリップリ）タラのフライについている、まるごとズッキーニをどうやって食べるのか尋ねると、驚いた顔で、そのままでも切ってでも、何かつけてでも。「これは・・・ズッキーニ」そう教えてくれます。ズッキーニは知ってるけどまるごとはビックリ、ナイフを入れてみると、柔らかく茹でてあったのでさらに驚きます。ゆでズッキーニ、何て美味しいんだろう。ヘタまで食べられます。お会計は、朝より安い３０ユーロ程度の金額、メニューも税込金額で明朗会計です。
本当に最後の最後のアッセン歩き。私は、ペットボトルの蓋を吊るしたオブジェを見て、私も全く同じものを作ろうとしていることを、心の友がここに居るかのように感激します。
最後の最後の最後。ＴＰは見かけたギリシャドーナツを食べています。（注文してから出てくるまで１０分。その間、店員同士で激しく言い争っている）
最後のアッセンでボサボサの看板犬。犬が好き。
もうこれで本当の最後のヨーグルトを再び。
ひと駅だけ地下鉄に乗ってみます。レプリカとはいえ、贅沢に彫刻が触り放題です。
地下鉄はスリに注意、とガイドブックには書いてあるので最大限に注意して乗ります。旅行前、ＴＰがジーパンのポケットが浅いと言うので、アイロンの補修テープや着なくなったＴシャツを駆使して、ポケットを深くするお直しをしてあげたっけ。とても快適だと喜んでくれています（いい奥さん！）。
もう本当に最後の最後の最後の最後、空港行きのバスに乗ります。ひとり６ユーロ。
バスの乗客、
アッセンの景色を、一瞬も見逃さないように。
機内食その１。
