ビンゴ!

朝起きると、少しだけ痛みが引いています。休暇申請をして、病院へ。

バスに乗って。「内科では絶対に風邪が治らないタイプみたいで、耳鼻咽喉科なら、必ず治るんです」と説明すると「念のため、PCR検査していいですか?」とのことで「はい」と答えると鼻の穴にグリーッとドリルのように綿棒を突っ込まれます。

検査結果が出るまで、20分間お待ちくださいと小部屋に案内されます。20分あるならと、病院の下の本屋さんで、取り急ぎ本を一冊購入。

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うつらうつら聞いていたラジオで、世界は3つに分断されていると知り、一体国内のニュースって何なんだ?と感じていたのが響いたのでしょうか、旧社会主義国のレシピ本を。もっと現実を知りたい、そして今日はポテトサラダを食べたい。手の甲にペンで「じゃがいも」「玉子」と書きます。

独房からの眺め。

診断は、まさかのコロナ陽性でした。「えっ、熱は37度しかないのに」「重症だったら、色々検査とかあるんですけど、そうでもないみたいだから」と病院をポンッと追い出されます。病院まで来るときはバスに乗ったけれど、帰りは遠慮してしまう。汗を拭き拭き歩いて帰ります。大きい公園で、ふと見上げたかぼすだか何だかの柑橘類の実、たわわに実っているから、えい!とひとつもぎ取ります。軽犯罪。でも、こっちだってやけっぱちです。慌てて匂いをかぎます。うん、柑橘の香り。嗅覚障害は今のところ大丈夫だ。かぼすらしきものを、ポケットに入れます。

彼岸花。赤とピンクのがあります。コロナだって。5日間、外出禁止だって。何だか、急に身体の痛みが和らいで、5日間の休み、という響きに酔いしれます。とはいえもう2日間は経過しているから、あと3日か(と、今日という日を入れずに拡大解釈して)。

 

ひとまず露天の八百屋で、セルフサービスのタッチ決済で野菜を買って、薬局へ。店の外で待ちます。お金の受け渡しも外で。病院の方も、薬局の方も、マスク一枚で、素手です。もうコロナ患者なんて飽き飽きでしょうに、誰もが「つらいでしょう」「流行っているでしょう」と心配してくださいます。「もしかして、ご家族みんなでかかっちゃったりしてます?」と聞かれたりもします。私はこれまでの人生で何度も「ご家族は何人?」とか「お子さんは何歳?」と聞かれ続けて来ましたが、どうしてそう見えるのかが不思議。自分としては、もっとミステリアスな、普段の生活がわからないような、孤高のひとみたいなイメージに見られたいという憧れもあるのに。生活感まるだしなのかも知れません。

 

そんなことはどうでも良くて、結果として、コロナ陽性で。ひとまず帰って薬飲んで、寝よう。