二手に分かれる作戦禁止

朝、5時30分に持参の目覚まし時計をかけていました。鳴った瞬間、止めてしまいました。5時45分に、部屋の電話のモーニングコールを設定していました。鳴った瞬間、受話器を上げて切りました。再び目を覚ますと6時40分!慌てて、朝風呂へ入ります。せっかく郡山のドーミーインの大浴場は豪華で快適なのに、たっぷり1時間入ろうと思っていたのに!部屋に戻って、荷造りを済ませて、荷物を持って朝食会場へ。

福島名物のソースカツ丼、こづゆ、なるものも食べます。おいしい!焼き魚や小鉢中心に取って、今朝の作戦はサラダを取らない、です。サラダは食べるのに時間がかかるし、野菜は普段食べるように心がけていれば旅行先の時間がない中で食べる必要がないと判断。TPは、ソースカツ丼を中心に、揚げ物三昧、途中でカレーまで取りに行き、最後はデザートまで。優雅なもんだね!

昨日、行けなかった鍾乳洞、あぶくま洞へ。荷物をコインロッカーに預けて。

本数が少ないので、バタバタと電車に乗り込みます。

「今日が最終日」とは口に出したくない。7:59の電車で、神俣駅へ。

8:45到着。駅前のタクシーでわずか数分。運転手さんお勧めの「紅葉」見事ですね!とお礼を言います。

「なかなか高低差があってですね、耳がツーンとしますよ」

わ、ここも見事な紅葉。元は採石場だったところに、偶然発見された鍾乳洞、とのこと。

運転手さんが最後に勧めてくれた展望台にも上がってみます。「私は高いところ苦手だから、上がったことない」確かに、足がすくむようです。ちなみに運転手さんの名前は「白」と書いて「しろし」と読むそう。いい名前ですね!

あぶくま洞なるものに、入ってみます。

おどろおどろしい。

何だ、このテーブルは?誰かが置いたのか?

神秘的、というよりも、少し怖い。上がったり下がったり上がったり下がったりします。

最近、どこの洞内でも流行っている?ワインが醸造されています。

出口近くのところ。妖怪大集合のよう。

ハイチュウを噛んで柔らかくしてペッと吐き出したような鍾乳石もあります。

売店で、ワインを買ってみます。そして、帰りのタクシーも呼んでもらいます。「まもなく来ますんで、そこのオリオンちゃんのところでお待ちください」TPは唐突のオリオンちゃんに、プッと吹き出しています。帰りの運転手さんは、行きとは別の方。福島弁のリズムが心地良い。「でも、今戻っても1時間電車無いんですよ、本当にいいんですか。駅前は、なんにもないです。昔は商店街があったけど、今はみんな車で大きいスーパーに行きますから」とのこと。

大丈夫です。我々、何もない方が好きなタイプなんで。駅前を歩いてみると、何もないわけではありません。数字多めの商店やら、

何の説明もない博多医院。

スーパーだってあります。

お客さんの年齢層は、かなり高めとお見受けしました。

茹で玉子が殻を剥かずに売られているのは、久しぶりに見ました。

お年寄りサイズにぴったりな、小ぶりの炭酸飲料もあります。

いいスーパーでした。

それでもまだ30分あるので、駅舎のデッキに上がってみます。

神俣駅前を一望できます。

一緒に電車を待っていた母娘は、スーパーで買ったらしいおむすびとサンドイッチを食べて、そのままゴミを置いて行きました。ゆったりした街。ようやく来た電車で、再び郡山駅へ。初日から行ったり来たり行ったり来たり、これで4回目です。

TPが調べておいてくれた最後のランチは「源氏」というお店です。

清潔なお店。ひとつずつ丁寧に作っていらっしゃるので、ゆっくりと待ちます。

はっ、うつくしい。。。

何て、うつくしいんだ!口に入れてみると、しっとりと柔らかく、どうやって作るのかが謎、いい体験です。厨房からジューッとフライパンで焼くような音は聞こえないので、オーブンで焼いているのでしょうか?私の真後ろの新婚らしきカップルの会話は、どの家電を買うか、旅行先はどうするかを小声で会話、ことごとく会話が噛み合わないので、長く続かないだろうなと老婆心。そんなことはさておき、目の前のポークソテーに集中、集中。大満足で店を後にします。

仕方ない。何にでも終わりはある。最後の郡山駅に向かいます。TP「今度は、ちゃんとイーチケット取ろう」もう次の旅行への改善点を上げています。バタバタとお土産(TPはラーメン、なみえ焼きそばなど。私は漬物の素など)を買って、インフォメーションのお姉さんにも「昨日、教えていただいたお店、三松会館と安兵衛、両方行きました。すごーーくおいしくて、いーーーいお店でした」と言うと満面の笑みで「良かったです!ありがとうございます」喜んでもらえて私もうれしい。

新幹線の切符を買って、自由席のホームへ並びます。ふとTPが「二手に別れて並んで、席が取れた方が迎えに行こう」などと言うので「やめとこうよ」と言っても、張り切って別の場所へ行って並んでしまいました。遠くからこちらを見て、ニコニコと手まで振っています。案の定。三連休の最終日、東京行きの新幹線は通路まですでに立ち乗りの満員で到着しました。TPが乗り込むのを見て、私も乗り込みます。入り口に最後のギリギリで乗れただけ。14:06発車。これから立ったまま、関東方面へ。誰もが黙り込んで、ギュウギュウで立っています。そのギュウギュウをかき分けて、お手洗いに入るひともいます。中には口元を押さえて(もう吐きそう)みたいな感じで人混みをかき分けているひともいます。私もずっと持っていた手すりが、ちょっと手を離したすきに男性が寄りかかってしまい持つところがなくなったと思ったら、すぐ後ろのギャルみたいな子が、ジェスチャーで少し上の方が持てると、指を差して教えてくれてニッコリと笑い合います。

約1時間後。あれほど遠いと思っていた福島は、新幹線ならあっという間でした。駅のホームで隣りの車両から降りてきたTPが私を見るなり「よかったー、乗っとったね。信頼しとったよ。それにしてもすごかったね」と嬉しそうに笑っています。「もう二度と、二手に別れる作戦は無しね!」と答えます。

それにしてもいい誕生日旅行だった。仕事を抱えるプレッシャーで自分の心の狭さに気づけたし、急な修正事項が生じても元上司に思い切って任せるということも学んだ。二手に分かれる作戦は金輪際禁止。ドーミーインでは夜更かしはせず早起きすること。教訓がどんどん心の中に増えて行きます。旅行を信じて、これからも旅行しまくりたい。TPは家に帰って、昼寝しています。私はまだまだ片付け熱が治まらないので、衣装ケースを整理します。母から送られてきた父の洋服も、着ないものは処分します。晩ごはんは早速、福島土産のなみえ焼そばです。モッチモチ。