9階建てのビルの7階、お客さんと電話でずーっとお喋りしていると、ユラユラ、ユラユラ、それからガタガタ、グラグラっとなって、お客さんの電話から電子音のような「1分後に震度三の地震が来ます、避難して下さい、避難して下さい」と聞こえてきました。
電話が切れ、パソコンのモニターがバタバタッと倒れて、ビル全体が揺れていました。非常階段から歩いて降ります。ちっとも怖くなかった。歩いて職場へ戻ると、もう一度大きな余震が来ました。それでも怖くなかった。社長の判断で災害手当として1万円札をピラピラともらい、タクシーに乗ろうかと思っても、もちろん空車は無く、てくてくと歩きながら夕焼けがだんだんと沈んで行くのを見て、先日試写会へ行った九段会館にはシートが張られてどうやら亡くなった人がいるみたい。歩道全体に歩く人々・・・
歩きながら崖崩れの現場を見たり、救急車は引っ切りなしに走っていたり。2時間歩きました。家のすぐ近くになると、突然にプルプルと怖くなりました。アパートはもしかしたらペシャンコかな?と思うと、電氣が点いていたので、ウワーッと走って帰ってみると、朝に消し忘れた電氣でした。部屋に入ると食器のガラス類がなだれ落ちて割れていて、テレビはひっくり返っていました。
とりあえず、土足で部屋の様子を見て、外に出るとTPとバッタリ。TPは弟の正ちゃんを心配して外に出ると、正ちゃんとバッタリ。夜遅くなっても、まだまだ歩き続けている人の波は途切れません。外国から来た風の女の子、駅までの道に困っているようなので声を掛けると、これから仕事に行かなきゃ、出張マッサージね、ビルの上で地震で怖かった、とのこと。手を取り合って駅まで歩きました。駅で別れる時に握手すると、手がとっても冷たかった。どれだけ歩いたんだろうって思うと、涙が出て止まりませんでした。