一杯のビールを、ゆっくり

1万円=2,665バーツ。今回換金したお金です。ドンムアン空港で換金したけれどとってもレートが悪いと思います。1バーツ4円。ただ、昨日他のひとたちもバーツ高になっていると言ってたっけ。昨日買ったもののレシートを見ていると、99バーツで買ったはずのバスマップが97バーツになっています。NO PLASTIC BAG -2.00、つまり「I don't need a bag」袋いりませんと言ったことでレジ袋割引があったらしい。うれしい。ちなみにセブンイレブンのチャンビール500ミリリットルは1本55バーツ。高い!

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今日も宿の朝ごはんを食べていると(昨日はパン3枚のサンドイッチでお腹がいっぱいになり過ぎたので、今日はパン1枚のオープンサンドにしてもらった)、宿のおばさんが「今日はどうするの?」と言うので「隣りの駅の美術館に行こうと思います」と答えると、「歩いて行けるじゃん!それなら、ジム・トンプソンのカフェに行った方がいい、とっても素敵よ。イエロカフェとか」それよりも、今日はホリデーだからモーチット駅のチャトゥチャックマーケット(チャトチャって聞こえた)に行ったら?なーんでもある。私はそのオープンマーケットがだーいすき!と身振り手振りで教えてくれるものだから、そこに行くことにしました。ピクニックシートは売っているかと尋ねると、なーんでもある、インテリアから洋服から食器、観葉植物、ペット(ペット?)まで、とのこと。タイ語のゴザの発音を、直してもらいました。スーア(ミード)だと洋服になるから、スーア(ド#ード)ほとんど抑揚なく発音する練習を何度もさせられます。お陰で、オーケーが出たのでリュックを背負って歩き始めます。一日が始まったぞ!

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まずはジム・トンプソンのカフェまで。途中で道を尋ねながら着いたところは、宿のおばさんが教えてくれたイエロカフェ。何だかトンプソン感が無いけれど、まいっかとここでアイスコーヒーを飲みます。85バーツ。

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2011年、TPとタイに来たときにもいた、巨大な人間の像が今日もいます。前に会ったときは屋外だったかと思いますが、今日は「バンコク芸術文化センター」という無料の美術館にいます。

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昨日の朝から不思議だったこと。デパートでも美術館でも、中のお店が開館する前にもうひとを入れちゃって、デパートなんかはどこのお店も開いてないのにひとがぞろぞろと入っていて、バイトのひとたちの準備なんかも丸見えなこと。今日も美術館だけはオープンしていて、廊下で土産物を売る人は商売を始めていて、ショップは開店準備をしています。不思議。とにかく、上の方の螺旋状のスロープを上がっていると、スロープのあまりのゆるやかな角度、天窓からの太陽光、右回りに上昇する感じにフワーッとなって悟りを開きそうになります。

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未来の会議というタイトルの絵、猿っぽいひとたちがギューッと集まっている絵の、どこか未来なんだろう、でも嫌いじゃないなと思いながら眺めます。

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二重写しのような人物画で、どれだけ一所懸命見ようとしても、こちらの目が焦点を合わせようとするものだから、見たくても見えない、まともに見られない絵を、見られないのに見ます。

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自画像の自分を、小さい自画像のひとりがおでこを拭いて、もうひとりが眼鏡を拭いている絵を見ます。それにしても、いくら若手のアート作品だからって太陽光がバンバン当たるところで展示していいんだろうか?額のアクリル板に太陽光が反射しまくって、写真に撮ると反射までアートみたいになってしまいます。

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お茶もしたし絵も見たし、さ、いよいよ昨日買ったバスマップを広げて、バスの旅が始まります。まずは、目的地に行きそうな方向のバス停を見つける。そしてバスマップを広げて、目的地に書いてある番号のバスを待つ(今回はモーチット駅に行くので、3,8,9、16,26,27,28、29、34、38,39,44,52,59、63,77,90,96,104、108,122,134,136,138,145,157,177,182・・・あと10個くらいある)。バスが来る度に目ん玉をひん剥いて番号を見る、バスマップの目的地に書いてある番号と一致するかどうかを瞬時に判断する、の作戦です。5台ほど見送って34(え、34?あった!)が来ました。駆け寄って乗り込みます。女性車掌さんが料金を集めに来るので「モーチット(語尾を上げる)?モーチット(語尾を下げる)」と言ってみると「モーチット(語尾下がり)」と大きく頷いてくれ、15バーツと教えてくれます。前に乗ったバスは、窓ナシバスだったから6.5バーツだったけれど今回はエアコンバスだから高いのかな?

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バスに乗った瞬間、身体中の力みがほどけて、ここが私の居場所、みたいなリラックス感で、泣きそうになります(泣かないけど)。どうしてこんなに東南アジアの路線バスは、楽しいんだろう。生活だからかな?

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車掌さんが合図をくれて、モーチット駅でバスを降ります。3〜40分は乗っていたんじゃないかしら。居眠りもしました。チャクチャクマーケットみたいに聞こえたマーケットを散策します。

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レトロなものや最新っぽいもの、パンクっぽいものやチープなもの、高級っぽいものや古本。あまりにも広大な敷地、あまりにも洗練されたものや、あえてチープなレトロ感を出しているもののオンパレードで、もう自分が何を欲しいんだか欲しくないんだかわけがわからなくなります。

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ひとまず、何か食べよう。いくつかの店でメニューを見比べて、一番安かった露店でラーメン50バーツ。どれだけ水を飲んでも、全てが汗になって出てしまうからでしょうか、ちっともトイレに行きたくなりません。でも熱中症の前触れでしょうか、だんだんぼーっとしてきました。マーケットの外に出て、路上でタバコを吸っているタクシードライバーの近くで一服しながら駅に戻る道を尋ねます。試しにバスマップを広げてみると、話しかけてきてくれます。どこに行くの?プロンポーンと答えて、バスで行くと言うとふたりして首を振って笑ってくれます。バスマップの表紙を見て、本当にバスの路線図だって、みたいにまた大笑いしています。うれしい。

 

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歩きまわってめまいがするので、巨大な公園に横になります。ヤシの木陰で、目を閉じて。この国とチューニングを合わせるように。

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またバスに乗って、一旦宿泊先の駅に戻ろうとしたところ、途中が終点だったようでビクトリーモニュメント駅のロータリーをぐるっと回ったところで全員降ろされてしまいました。ぐるっと回ったら方向がさっぱりわからなくなって、別のバスの運転手さんにラチャテウィー?と尋ねてもノーラチャテウィーと言われるばかり。バスマップを広げて、高架鉄道など目印を見つけて、そうだ電車に乗ってプロンポンに行こうと決めます。

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ちょうど渋滞する時間帯だし。プロンポンで生ビール。今日は土曜日でお仕事はお休みなのです。103バーツ。行き交うひとをぼーっと眺めながら、1杯のビールを、時間をかけてゆっくり飲みます。こういう時間がほしかったんだ。ゆっくり時間をかけてビールを飲むって、いいな。日本に戻ってもこういう時間を持ちたいなとか考えます。

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昨夜のパーティーで、帰りに読む本が無いと言うと、古本屋がありますよと教えてもらったのです。

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プロンポンのサンブックスで、行きがけに読んだ文庫「鳥肌」を売ります。20バーツ。

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帰りの飛行機も長い時間かかるから、行きがけに半分読んでしまった「羽生善治 戦う頭脳」を残り半分読むとして、あと2冊は欲しい。たっぷり立ち読みして「今ごはん、昔ごはん」90バーツと、江國香織選「ただならぬ午睡」20バーツを買います。

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バス停で待っていると、ラチャテウィーに戻るバス、2番がやってきたので飛び乗ります。女性車掌に「ラチャテウィー」と言って14バーツ払います。

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今度は一本道じゃなく、大通りを右に曲がって、また左に曲がるから注意しながら乗ります。もうそろそろかな?と思って女性車掌を見ると、大きく頷いて、上のブザーを押すようジェスチャーされたので、ブザーを押してバスを降ります。

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裏道を歩きます。大きめの野良犬を見つけて、目を合わせないようにします。ガブリとやられたら一巻の終わり。

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宿のおばさんが、宿の裏に築100年の古い家があってバーやカフェがあるよ、行ってみたらいいと教えてくれたバーへ。どこが古い家なのか店のひとに聞いてもわからないとのこと。まいっか。1本のビールを、ゆっくり時間をかけて飲みます。買ったばかりの本を読みながら。

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宿に戻って、シャワーで汗を流して、今日も洗濯機を回します。替えのパンツや靴下は1セットしか無いから、脱いだらすぐ洗わないと汗だくのパンツを履くことになるのです。約40分の洗濯を部屋で待って、屋上に干します。

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あまりお腹が空かないけれど、晩ごはんを食べに外に出ます。賑やかなレストランや、大入り満員のバー、大通りの屋台などゆっくり見て回ったけれど、少し外れたところのお客の少ない屋台に入ってみます。1本のビールを、ゆっくり時間をかけて味わいます。そして玉子炒めを注文します。

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屋台を後にして、野菜も食べておいた方が良いかと考えて、賑わっている屋台でパパイヤサラダ(ソムタム)をテイクアウトして帰ります。40バーツ。宿の通路に座って食べてみます。あまりの辛さに涙も汗も止まらない。

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明日は6時起きやけん、荷造りしとこう。夕方干しておいた洗濯物はもうほとんど乾いています。エアビーで予約を始める前は、ホテルの洗面台で手洗いしていたから、洗濯機の有り難さが今回、骨身にしみました。今度からは「洗濯機付きの宿」を条件に宿探ししよう。荷造りを終え、歯磨きも終わって布団に入って手だけ出して買ったばかりの文庫本など読んでいると、「私、こんなところで一体何しよるとかいな?」と思わずにはいられません。まいっか。