残像、仏像

monna88882014-06-19

先日の帰省で、父から彫りかけの仏像の木材を持って帰らされました。どうやら市民講座で仏像彫りを習っていたところ、先生に大きな仕事が入って途中で投げ出されてしまったそう。私が子どもの頃に使っていた彫刻刀を持って通っていたそうですが、木を彫ることは面白そうなので二つ返事で持ち帰ります。まあるく削ってこけしみたいにしようかともチラッと考えたけれど、ネットで出来上がりの図を探して、近いように彫ってみたいと思います。


短編ベストコレクション。最初の方が面白い文庫でした。帰省の行きとなかなか眠れない夜に読みました。


女のいない男たち

女のいない男たち

女のいない男たち。福岡空港で興奮して、自分を落ち着けるために買って帰りの便で読みました。これがとってもいい短編集、ひとことひとことにジワッと手が熱くなります。あははっ。女がいない男の人たちを主軸に、男がいない女の人や女がいない女の人、男がいない男、親がいない子、子がいない親、友人がいない男や隣人がいない住人、借り主がいない大家など、お客がいない店主、あらゆるシチュエーションであらゆる感情で手触りがある本。あはっ!


納棺夫日記 (文春文庫)

納棺夫日記 (文春文庫)

納棺夫日記。図書館で借りて行きの電車と昼休みで読みました。途中から日記じゃなくて思いのたけを書き綴っていて。作者の後書きに前半後半のどちらかに興味があるかを分けられていたけれど、日記部分に興味がわきました。


アデルと私―年をとるには早すぎるんじゃない?

アデルと私―年をとるには早すぎるんじゃない?

アデルと私。図書館のリサイクル本で見つけた本は、まさにタイムリーな本でした。自分が年を取るのが怖くなって、ボランティアで老女の話し相手になるエッセイ、祖母を老人ホームの狭い部屋に置き去りにしているかと思うと、身が引きちぎれそうになる思い、母のように毎週通って、おばあちゃんの我がままをちゃんと愚痴にして、他の兄弟が親身になってくれないことを悲しんでいることがとても自然に思えます。私のように遠くからただ思っているだけでは罪深い?それでも、おばあちゃんのことをずっと思って毎日生きています。


父方の祖母は、20年前から何十回も遺言と言いながら、電話でも手紙でもハガキでも、先日会ったときでも、同じテンションでドラマチックに話し続けるからずるい!遺言ばっかりが重なって。羽根を伸ばしてね、仲いいことが一番よ、ご機嫌よくね、目に涙をいっぱいためたおばあちゃんの顔、自分の育てた息子のいる前で、私は失敗したって言ってたっけ。父はそれでも嬉しそうで、母は「あんた、たまに帰ってきたらみんなが喜んでくれていいねっ」と吐き捨てていたっけ。