ランク1

monna88882016-07-22

もうすぐ夏休み。観光地までの出勤は、たくさんの観光客を詰め込んだ電車で最後のふた駅だけしか座ることはできません。観光地!

朝から数ヶ月前に入った同僚の女性が、聞いて欲しいことがあると言います。いつでもいいよ、と言うと、今日の全体会議が終わってからと言います。全体会議で何があると?と聞いても答えてくれません。


のんきに、お昼休みに観光地を散歩をしました。楽しげな市場に、見たこともないサイズのオクラがあったので買います。200円。おいしいよ、と札に書かれた小さいナスがあったのでそちらも買います。200円。晩ごはんは天ぷらにしよう。職場に戻って巨大なオクラを隣近所の席の人たちに自慢します。社長からは、島オクラですね!固いからしっかりゆでないととのアドバイス


いよいよ全体会議になりました。何とまぁ、今日は新しい組織図が発表されると言うのでドキドキワクワクします。その組織図が会議室のスクリーンに表示されて、自分の名前を見た瞬間、ドーンッ!と鈍器で脳天を叩かれたような衝撃を受けます。私の上のリーダーとして、朝、相談があると言った数ヶ月前に入ったばかりの女性が配置されていて、それぞれの名前に現在のレベルが数字で入れてあります。数段階あるうちの、私は最低ランクの1。新人君たちと同じレベルでした。目の前が真っ白になっていると、細かいところに氣配りをくれるTさんが私のことを、そのランクだとこれまで重要なお仕事をお願いしていたのに、直接依頼できないってことですか?と質問をしてくれます。かばって下さったのです。いきなりリーダーになったランク2の女性も戸惑っています。私と同じランク1のKちゃんも戸惑っています。今朝、その司会ぶりで絶賛されたD君も新入社員と同じランクで戸惑っています。

その後で、小さい話し合いがありました。軽く発言して、すぐに帰ります。誰もが戸惑って、それでも社長たちは一所懸命考えた、ランクはそんな意味じゃないなどと言っていたけれど、ランク1のあたしは落ち込んで、絶望のまま電車に乗って、絶望のまま家に帰って、オクラとナスを天ぷらにして、絶望したままいつまでも眠ることができませんでした。