文房具屋のおじさん

ろうどう。ろうどう者はろうどうします。昼、弁当を買いに行きます。おいしゅうございます。街なかで叫んでいるひとがいるので春だなと思っていると、ふと、あの甲高い声知ってる、顔をよくよく見ると文房具屋のおじさんじゃないか!「理屈がなきゃだめだろ!」見えないひとと喧嘩しています。おじさん、大丈夫ですか?と聞きたいけれど猛スピードの速歩きで通り過ぎてしまったので呆然とします。大丈夫ですか?と聞いたところで、どう考えても大丈夫じゃない感じ。

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それからは文房具屋のおじさんのことが気になっておしごと片手間、上の空。店番をしている娘は大丈夫だろうか。せめて様子だけでも。文房具屋を覗いてみると、やっぱりおじさんが架空のどなたかに何かを訴えていて、看板娘は困惑しています。思い切って入ってみると「いらっしゃいませー」とおじさん。そしてまた見えないひとに大声で文句を言って。ペンを1本買うと看板娘が小さい声で「ごめいわくおかけします」と言うので首を横に振って「だいじょうぶ?」と小さい声で尋ねます。目をウルッとさせるだけの看板娘。店を出ると「ありがとうございましたー」とおじさん。身体が覚えているんだな。店を出て振り返ると、店の外に向かって何かを大声で訴え続けています。

夜、TPに、いつも温厚な文房具屋のおじさんが突然別のひとになったことをおしゃべりして、どうしたらいいかいな?と言うと「門にできることは、何ひとつない」何かできると思ったと?とか言うので素人の私は口をつぐみます。あそこは近所は病院もあるし薬局もあるし、大丈夫よね?と言っても仕方ないことを言ってみたりします。