かわせみ河原

早起きをして、

満員電車に揺られて、

電車を2回乗り換えて、

「鉢形」という駅に到着します。

リュックを背負って、河原のキャンプ場まで歩きます。ブラタモリの見すぎで、沼地にも敏感になっています。オタマジャクシだらけ。子どもの頃、団地のベランダで育てていたオタマジャクシが全部カエルになったので、驚いてベランダから放ったという話しをしたりします。

はっきり言って、これまで無印の小さいリュックとイケアのズタ袋で持って来ていた荷物を、モンベルの巨大メッシュリュックひとつに入れて歩くと、楽だけれど、重たい。重たすぎて後ろに倒れそうになります。

入場料ひとり200円を払って、かわせみ河原へ。TPは入り口のトイレ近くの場所にテントを張ろう(お隣さんも感じ良さそうよ)と言うけれど、私は「孤独を楽しむために来たとよ」とか言って、一番奥の場所にテントを張ります。それにしても暑い!テントを建てて、あまりの暑さに早々に河原を逃げ出します。

すぐ近くの「川の博物館」に逃げ込みます。

エアコンの効いた特集上映のシアターに入ります。雨粒になって荒川の上流から下流、海まで冒険する物語、どんぶらこっこと座席も揺れたりします。最後、海に出たところで泣きそうになります。あら?ってことはかわせみ河原は荒川ってこと?

博物館をじっくりと見ます。よくわからないまま、傘を作れる体験もします。

石の種類当てクイズにも挑戦して全問正解します。(わたしは「い」の石がほしい、同じようなのを見つけたい)

川の魚もじっくり見ます(ヤマメ。お目々ぱっちり)。

こんにゃく水車とやらを眺めます。

「暑いね」「テントに戻りたくないね」「もういっそのこと、ここでランチ食べたいね」などと言いながら無料休憩所で自動販売機でジュースなど買って、飲みます。

TPが「あの巨大水車、本当に水で動いとうと?」とか言うので「まさか」と言います。

「ほらね」

しばらく休憩して、ふと自分たちは何のためにここに来たんだ、キャンプしに来たんじゃないか!と励まし合いながら、猛暑の、しかも河原の一番奥の方まで歩いて戻って、昼ごはんの準備をします。(TPは時計で、入り口からテントまでの時間を計って「6分・・・」とか言っています)

暑暑暑、アツアツアツアツアツアツッ。不思議なことに暑い中、焚き火をするとかえって炎の熱さで、日差しの暑さが和らぐかのようです。

今日の昼ごはんは、肉うどんです。釜揚げで食べます。その美味しいこと!

まだまだ午後は長い。電車に乗って寄居駅まで。スーパーを目指します。どういうわけか、電車を見るとシュッシュッと水蒸気を上げて去って行きます。これは電車じゃなく、ディーゼル車とかいうものかしら?

あ、梅。

倉庫。

四角い木、ヤオコー

涼しい!晩ごはん用の食材を選びます。TPは、今までキャンプで食べたことのない食材にしたいとか言っています。悩みに悩んだ末、豚タンと、鶏肉のハーブ漬けにします。

また電車(じゃない?ディーゼル車?)に乗って戻ると、河原には車もテントも増えています。(すっきりと清潔な装備を見て、こっそり写真を撮ります)それにしても、駅から17分、キャンプ場入り口からテントまで6分、歩いてばっかりです。

孤独を楽しむために端っこの場所にしたのに、お隣りにパリピたちが2グループも来ました。聞いたことない音楽を流しまくっています。

川に入ってみます。涼しい!

気をつけよう。

ようやく、日が傾いて来たので、第二弾の焚き火です。TPが「今日の本」と見せるのは、田辺聖子の「ジョゼと虎と魚たち」の文庫。最初の短編の始まりがいいと言うので、ちょっと読んでもらいます。うっとり。

夕方に近づいて涼しい風が吹いているのと、プシュッと開けた缶ビール。「朗読って最高やね!最っ高の気分」と言うと、気を良くしたのか、短編一本、まるまる朗読してくれました。最っ高!もし私が余命宣告されて寝たきりになったら、同じように朗読してほしいとお願いします。こりゃいい楽しみを見つけたわ。また読んでもらおう。

キャンプ場入り口まで6分、そこからまた10分歩いて、セブンイレブンへ行ってビールを買い足します。

よっしゃ、晩ごはんだ!おいしい〜。豚のタンも、意識したことなかったけれど安くてとっても美味しい。鶏肉のハーブ漬けも、焼くだけで美味しい。最高やね。

それにしても、このかわせみ河原で売られている薪は、山のような量でたったの500円。燃やして、燃やして、燃やして、ようやく夜の11時、燃え尽きました。燃やしながら、明日のためにタープも、シートも畳んでしまって、食器も洗ってしまって、後は眠るだけです。漆黒の空。夜中、TPとトイレに行きます。往復12分もかかるのだから、すっ転ばないよう、慎重に。それにしてもトイレが遠い。誰だ!こんな奥にテント張ろうって言ったやつは!ばかもの!