金継ぎ教室

おそろしい。月末月初のギュウギュウをやっと乗り越えたかと思ったらもう月末のギュウギュウが始まっている。ループしている。

今日は「大事な茶碗が割れたので、金継ぎ教室へ行く」と言って、午後休をもらいます。私が予約した金継ぎ教室は、週2回だけの教室、どうしても午後休をもらわねばならないのです。昼を取る時間が無いので、おしゃれなパン屋に入ったところ、目が飛び出るほど高い、それなのにお客は多い、外のテラスで、高級パンを齧り、目を閉じてお値段分の味を堪能します。

いざ、金継ぎ教室。もうお一方の生徒はおじいさん。若い先生の説明を受けながら、生徒二人は老眼鏡をかけて、作業開始です。

特殊に開発された食品衛生法にも合格しているボンドを使って、割れた陶器をくっつけます。おじいさんの方は、ティーカップの受け皿。なかなかくっつかないと苦戦されていますが、先生がマスキングテープで押さえてあげて、最終的には上手くくっついています。くっついた割れ目に、パテを入れて行きます。

はみ出したパテを耐水の紙ヤスリで削って、いよいよ金色の絵の具(錫)を細筆で塗ります。

「わ、その丸が可愛いですね!」と先生にほめられて有頂天になります。丸のところだけ表面が削れていたので、いっそのこと塗りつぶしてやったのです。

内側の継ぎ目にも、金色を塗って。水を入れて、水漏れが無いか5分ほど置いてみるとのこと、お手洗いに言ったり一服したりして教室の周りを散歩します。

金継ぎした湯呑は、10日間は置いておくこと。固まるのを待つこと。家に帰って、TPがお腹すいたお腹すいたと言うので、塩豚とニラを炒めて、残りごはんが無かったのでうどんを茹でて、昨日の麻辣湯を温めて。ところで、ニラを炒めると言ったって、今年のニラは高いってもんじゃない、清水の舞台から飛び降りるほどの覚悟で買ったので「ニラ、すごい高いよ。すっごい高かった」とわざわざ言って、出します。

 

金継ぎ教室、心がスーッとしました。また別の教室にも行ってみたい。午後休をもらうと言うと若い同僚たちが「楽しんでください」とか「ちゃんと休んでください」とか言ってくれるので、かわいい、と思います。私がもし政治家だったら、世界中の労働者に、週1回の午後休を義務付けたい、とすら思います。「みなさん、もっと午後休を取りませんか。出社して午前中だけ働いて、午後は好き勝手に過ごしましょう。私は国民のみなさんの週1午後休を、推進します!」午後休推進委員会、会長。妄想。