待ち合わせは水戸で

monna88882016-07-16

弟家族と、水戸駅の改札で昼の12時に待ち合わせをしました。TPはもうこれまで何度も水戸のお墓へ行っているし、久しぶりのお休みでくたびれているので家に居ていいよと、私ひとりで地下鉄とJRを乗り継いで、お墓までの楽しいプチ旅行です。何とまぁ、上野駅で買った全席指定の特急券が、電車に乗り込んで席を探そうとポケットを探ると、ポケットを裏返しても、財布を覗いても、こつ然と消え失せています。はっ、きっとキオスクで文藝春秋の進次郎と田中角栄の特集雑誌を買ったときに落としたんだ!ホームでベルが鳴り響くなか、ポンッと電車を降ります。キオスクへ戻ると、ホームに特急券が落ちていました。あーあ、次は30分後か。そして弟家族は水戸駅で待ちぼうけでしょう。


それでもなお、次に乗った特急は、いきなり水戸駅が終点でわずか9分しか遅刻しませんでした。良かった!駅に着くと、弟嫁(3人目)が出迎えてくれて、駅前の弟の車に向かいます。前のふたりには申し訳ない思いがいっぱいだけれど、3人目の人が一番、氣さくで可愛らしいから和みます。弟は生まれたばかりの赤ん坊を掲げて、時計を指差すジェスチャーをして、何で遅れたと?みたいな雰囲氣を出して笑っているので、知らんぷりして車に乗り込みます。

車で門家のお墓に向かいながら、もう喋ることができなくなって、遠い目で呼吸だけをしている祖母のことについても弟とポツポツ話します。この辺は食べるとこが無いもんね、でもお店も少し増えたね、そう言ってたまたま見つけて入った蕎麦やさんが、広々とした座敷、季節の薬味を練り込んだおそば、水の美味しさ、どれをとっても嬉しいお店だったので、おばあちゃんの納骨のときはここに来ようと言い合います。「ちょっと知っとうとこがあるけん、って通ぶってここに寄ろう」と弟もニヤッとしています。伝票をサッと取って、ここはご馳走させてなどと言う弟に、プッと思います。

弟家族の車のナビを駆使してお墓へ行ってみると、間違えて裏口の細い道から上にたどり着いてしまいます。残念、正面の山門の杉並木が素敵なのに。早速、お寺の奥さんに挨拶に伺います。祖母やら伯母が、手みやげを持ってご挨拶していたからその通りにしてみたけれど、あら?若奥さんは手がひん曲がって、ろれつも回っていなくて、パーキンソン病かな?お花を3つ買って迷路のような墓の間の道を通って、あっ!水を忘れたと汲みに戻ったり、お盆前だからかお手入れされていなくて枯れ葉が積もっている!とホウキとちりとりをもらいに戻ったり、線香を忘れた!とまた戻ったりしながら、何往復もして、ようやく。ご先祖様たちのお墓たちに、手を合わせます。いくつも並ぶ墓石をたどると、元禄何年と彫ってあります。一体いつなんだろう?歴史好きのTパパに聞いてみたい。



お墓参りを済ませて、次は回天神社へ向かいます。ご先祖さまのひとりが、幕末のT党に参加して、福井の方の魚倉庫に閉じ込められてたくさんの同士と一緒に亡くなった悲劇の慰霊碑。道を曲がり損ねて、ふっとたどり着いたところは、白鳥と黒鳥が観光客のエサを取り合う、それはそれは広い湖でした。こんなところがあっただなんて、知らんやった〜。おばあちゃんの納骨のときには皆をここに案内しようなどとつい弟とニヤッと笑い合います。



回天神社。T党の方々の魂を安置している神社で、弟嫁にも私が祖母から聞いた歴史の一部を教えます。興味無さそう。わかるわ、あたしだってよくわかっていないんだもの。並ぶ墓石の中で門家を探して、偶然同じT党をご先祖さまにもつRC家のご先祖様も探して、拝んで、なでなでして、また拝みます。ご先祖さまたちもまさか、平成の世に私とRCが大切なともだちになっていることは、思っていなかっただろうか?それともそう望まれたから大切なともだちになっているんだろうか?そんなことを考えます。やっぱりまたRCと水戸へ行こう!オノヨーコ展で本当にオノヨーコから電話がかかってきたんだから、やっぱりRCと水戸へ行こう。そう思います。


高速に乗って、東京を目指します。それにしても弟の3人目の子ども、まだ生まれたばかりの赤ちゃんは良い子、全然泣かないし、ニコニコしているし、時折神妙な顔をするし。


サービスエリアのスタバの寄ってコーヒーをテイクアウトして、水戸納豆を買って、ひたすらに東京へ。


近所の駐車場に車を停めて、いつもの古いアパートに戻って、私はハナマサへ買い出しに、TPはお仕事から帰って弟夫婦のおもてなしに、ジュージューと焼肉を焼きながら、今、うちには産まれたての赤ん坊がいるんだなと思うと不思議な氣持ちになります。弟はくつろいだ九州男児のテイだし、TPも家長としての威厳を持っていながらサービス精神旺盛な、それでいて九州男児の感じだし。時々アパートの外に出て、一服したりしました。3人目のお嫁さんはちゃんとくつろいでくれているし、3人目の赤ん坊はちゃんと大人たちの顔をじっと見て、自分が主役だという面構えで堂々としています。プカーッ。